平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 112

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問 112  正答率 : 76.8%

 国家試験問題

国家試験問題
図に示す正常ヒト体細胞の細胞周期に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2018-08-17 9.32.15.png


1 G1期からS期への移行には、サイクリン依存性キナーゼが関与する。


2 G1期にある細胞は、G0期と比べてDNA量が4倍となっている。


3 DNA合成は、G1期に起こる。


4 G2期に損傷が認められたDNAは、M期に修復される。


5 有糸分裂は、M期に起こる。

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問 112    

 e-REC解説

解答 1、5

スクリーンショット 2018-08-17 9.33.00.png

正常ヒト体細胞の細胞周期では、G1期にある体細胞が増殖の刺激を受けるとDNAが合成され(S期)、細胞内のDNA量が2倍になる。その後、G2期を経て有糸分裂により2つに分裂する(M期)。このサイクルを細胞周期といい、細胞周期の調節には、サイクリンとサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の複合体などが関与する。
なお、多細胞生物では活発に増殖する一部の細胞を除きG0期で増殖を休止してヒト体細胞としての機能を発揮している。

1 正
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、サイクリンと複合体を形成することで活性化され、細胞周期の段階移行の調節に関与する。CDK には、複数の分子種が存在しており、CDK4はG1期からS期への調節、CDK2はS期のDNA合成の調節、CDK1はG2期からM期への調節に関与する。

2 誤
G1期にある細胞は、G0期にある細胞とDNA量は同じになる。なお、G2期にある細胞は、G1期やG0期にある細胞と比べてDNA量が2倍になる。

3 誤
DNA合成は、S期に起こる。

4 誤
G2期に損傷が認められたDNAは、M期に移行できず、G2期で停止した後に修復される。G2期からM期に移行する際に損傷等の異常を確認するチェックポイントとして、G2/M期チェックポイントがある。
なお、チェックポイントにはこの他に、G1期からS期に移行する際に損傷等の異常を確認するチェックポイントとしてG1/S期チェックポイントなどがある。

5 正
前記参照

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