平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 118

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問 118  正答率 : 49.8%

 国家試験問題

国家試験問題
サイトカインに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 IFN−γ(インターフェロン−γ)は、マクロファージを活性化して、その貪食能を増強させる。


2 エリスロポエチンは、主に脾臓で生合成・分泌される。


3 IL−2(インターロイキン−2)は、キラーT細胞の増殖及び分化を抑制する。


4 IL−4(インターロイキン−4)は、Th0細胞(0型ヘルパーT細胞)からTh1細胞(1型ヘルパーT細胞)への分化を促進する。


5 TGF−β(トランスフォーミング増殖因子−β)は、免疫抑制作用を示す。

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問 118    

 e-REC解説

解答 1、5

1 正
IFN−γ(インターフェロン−γ)は、主にTh1細胞(1型ヘルパーT細胞)やナチュラルキラー(NK)細胞から産生され、マクロファージを活性化することで貪食能の増強及び貪食した微生物の殺菌を促進する。

2 誤
エリスロポエチンは、主に腎臓で生合成・分泌される。なお、エリスロポエチン(EPO)は、造血サイトカインの一種であり、骨髄の赤血球系前駆細胞に作用し、赤血球の産生を促進する作用を有する。

3 誤
IL−2(インターロイキン−2)は、主にTh1細胞により産生され、キラーT細胞及びヘルパーT細胞の増殖を誘導する。

4 誤
IL−4(インターロイキン−4)は、Th0細胞(0型ヘルパーT細胞)からTh2細胞(2型ヘルパーT細胞)への分化を促進する。なお、その他に次に示す作用が知られている。
・休止B細胞を活性化してMHCクラスⅡ分子の発現を増強する。
・免疫グロブリンのIgMからIgEへのクラススイッチを誘導する。

5 正
TGF-β(トランスフォーミング増殖因子−β)は、血小板、骨細胞、樹状細胞、マクロファージ、リンパ球により産生され、次の作用を示すことが知られている。
・繊維芽細胞や骨芽細胞を増殖させ、コラーゲンなどの細胞外マトリックスの産生を促進する
・マクロファージや樹状細胞の活性化を阻止し、またT細胞や抗原提示細胞の機能を抑制することで、免疫系を抑制する。

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