平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 121

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問 121  正答率 : 62.3%

 国家試験問題

国家試験問題
下図は、午前に1回だけ(午前7〜8時)食事を摂取した際に考えられる血糖値と血中インスリン濃度の経時変化(午前0時〜午後1時)を示したものである。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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1 Aの時点の血糖値は、主に筋肉から放出されたグルコースに由来する。


2 Bの時点の血糖値の上昇には、小腸粘膜上皮細胞のSGLT1によるグルコースの取り込みが関与している。


3 Bの時点において、インスリンは膵臓から十二指腸の管腔内に分泌され、グルコースの腸管での吸収を促進する。


4 Cの時点において、インスリン依存的に活性化されたGLUT4により筋肉にグルコースが取り込まれている。


5 Cの時点において、インスリン依存的に肝臓でのグリコーゲンの分解が促進されている。

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問 121    

 e-REC解説

解答 2、4

グラフ中Aにおける血糖値の維持には、グルカゴンなどの作用による肝臓でのグリコーゲン分解や糖新生が関与している。グラフ中Bにおける血糖値の上昇には、食事に由来する糖質の吸収が関与している。その後グラフ中Cにおける血糖値の低下には、Bでの血糖上昇により膵臓から分泌されたインスリンにより、筋肉や脂肪組織でGLUT4が細胞膜に発現し、血液中のグルコースが細胞内に取り込まれていることや、肝臓でのグリコーゲン合成が促進されていることなどが関与している。

1 誤
Aの時点の血糖値は、主に肝臓から放出されたグルコースに由来する。

2 正
食事に由来するグルコースのような糖質は、小腸上皮細胞の頂側膜に存在するNa/グルコース共輸送体(SGLT1)により上皮細胞内に取り込まれ、その後側底膜に存在するGLUT2により血液中に放出される。

3 誤
Bの時点において、インスリンは膵臓から血液中に分泌され、分泌されたインスリンは、Cの時点においてインスリン依存的に血糖値を低下させる。

4 正
前記参照。

5 誤
前記参照。

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