平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 132

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問 132  正答率 : 46.4%

 国家試験問題

国家試験問題
発がん物質A〜Eの代謝と発がん作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 Aは、それ自身がDNAと反応する一次発がん物質である。


2 Bの究極的代謝活性体は、シトクロムP450による酸化を受けた後に生成するメチルカチオンである。


3 Cの究極的代謝活性体は、シトクロムP450による酸化を受けた後に生成する9,10-ジオール体である。


4 Dの代謝活性化には、シトクロムP450とエポキシドヒドロラーゼが関わっている。


5 Eの究極的代謝活性体は、シトクロムP450によりメチル基が酸化された後にN-脱メチル化で生成するメチルカチオンである。


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問 132    

 e-REC解説

解答 1、2

1 正
Aはナイトロジェンマスタードの構造である。発がん物質は、化学物質自身に発がん性がある一次発がん物質と、代謝を受けることによって発がん性を示す二次発がん物質に大別され、ナイトロジェンマスタードは、一次発がん物質に該当する。

2 正
Bはジメチルニトロソアミンの構造である。ジメチルニトロソアミンは、CYP2E1によって酸化を受け、最終的にメチルカチオン(究極的代謝活性体)となりDNAと反応する。

3 誤
Cはベンゾ[a]ピレンの構造である。ベンゾ[a]ピレンは、CYP1A1によってエポキシ化を受けた後、エポキシドヒドロラーゼによって加水分解を受け、さらにCYP1A1によってエポキシ化を受けた後に生成するベンゾ[a]ピレン-7,8-ジオール-9,10-エポキシド(究極的代謝活性体)がDNAと反応する。

4 誤
DはアフラトキシンB1の構造である。アフラトキシンB1は、CYP3A4によってエポキシ化を受けて生じるエポキシド(究極的代謝活性体)がDNAと反応する。代謝活性化にエポキシドヒドロラーゼは関与しない。

5 誤
Eは4-ジメチルアミノアゾベンゼン(バターイエロー)の構造である。4-ジメチルアミノアゾベンゼン(バターイエロー)は、CYPによってN-脱メチル化及びN-水酸化を受けた後、硫酸抱合またはアセチル抱合を受け、最終的に生成するニトレニウムイオンまたはカルボニウムイオン(究極的代謝活性体)がDNAと反応する。

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