平成27年度 第100回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 133

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問 133  正答率 : 57.5%

 国家試験問題

国家試験問題
ダイオキシン類に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ダイオキシン類は、コプラナーPCBを除き、有機化合物の燃焼時や2,4,5−Tなどの除草剤製造時の不純物として生成される非意図的生成物である。


2 ダイオキシン類の内分泌かく乱作用は、ダイオキシン類がアンドロゲン受容体にアンタゴニストとして結合することに基づく。


3 ダイオキシン類の毒性は、塩素の置換数が多いほど強い。


4 ある土壌試料についてダイオキシン類を分析したところ、下表の結果を得た。この土壌試料の毒性等量は630 pg−TEQ/gである。


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問 133    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
ダイオキシン類であるポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)は、塩素を含む有機化合物を低温で不完全燃焼させたときに非意図的に生成する。

2 誤
ダイオキシン類の内分泌かく乱作用は、ダイオキシン類が芳香族炭化水素の受容体に結合し、ステロイドホルモン代謝を促進することで抗エストロゲン作用を示す。

3 誤
ダイオキシン類の毒性は、塩素に置換数が多いほど強いとは限らない。なお、ダイオキシン類の中で最も毒性の高いものは、2,3,7,8−四塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(2,3,7,8−TCDD)である。

4 正
毒性等量(TEQ)とは、ダイオキシン類の濃度にTEF※1(毒性等価係数)を掛けたものの総和のことであり、本設問の土壌の毒性等量を以下のように求めることができる。
土壌試料の毒性等量=(0.1×400 pg/g)+(0.3×300 pg/g)+(1×500 pg/g)=630 pg−TEQ/g
毒性等価係数※1:最も毒性の強い2,3,7,8−TCDDの毒性を1として、その他のダイオキシン類の毒性の相対的な強さを表した値

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