平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 154

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問 154  正答率 : 66.5%

 国家試験問題

国家試験問題
運動神経を付けたまま摘出したラット神経―骨格筋標本を用いた実験において、終板の膜電位変化と筋の張力変化を同時に記録した。下図は、運動神経の電気刺激で発生する終板の活動電位(図中Ⓐ)と筋の張力変化(図中Ⓑ)を示したものである。
次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2017-04-25 18.36.16.png


1 A型ボツリヌス毒素は、Ⓐに影響せず、Ⓑを抑制する。


2 ベクロニウムは、Ⓐ及びⒷを抑制する。


3 スキサメトニウムは、Ⓐに影響せず、Ⓑを抑制する。


4 ダントロレンは、Ⓐに影響せず、Ⓑを抑制する。

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問 154    

 e-REC解説

解答 2、4

グラフⒶは骨格筋終板の膜電位変化を表しており、運動神経刺激により放出されたアセチルコリンがNM受容体を刺激した際、Naチャネルが開口することで上昇する。
また、グラフⒷは骨格筋の張力変化を表しており、終板の膜電位変化により、筋小胞体のリアノジン受容体(Ca2+放出チャネル)からCa2+が細胞内に放出され、骨格筋が収縮した際に上昇する。

1 誤
A型ボツリヌス毒素は、運動神経終末からのアセチルコリン放出を抑制する。よって、終板膜電位変化(Ⓐ)を抑制し、それによっておこる骨格筋収縮(Ⓑ)も抑制する。

2 正
ベクロニウムは、NM受容体遮断薬である。よって、終板膜電位変化(Ⓐ)を抑制し、それによっておこる骨格筋収縮(Ⓑ)も抑制する。

3 誤
スキサメトニウムは、脱分極型筋弛緩薬であり、膜電位を持続的に発生させ(持続的脱分極)、アセチルコリンによる神経伝達を抑制する。よって、終板膜電位変化(Ⓐ)に影響し、骨格筋収縮(Ⓑ)を抑制する。ただし、一過性の筋収縮が現れる。

4 正
ダントロレンは、筋小胞体に存在するリアノジン受容体に作用して筋小胞体からのCa2+の放出を抑制し、興奮収縮連関を抑制して筋弛緩作用を示す。よって、終板膜電位変化(Ⓐ)には影響せず、骨格筋収縮(Ⓑ)のみを抑制する。

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