令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 163

Pin Off  未ブックマーク    |  |  |   
問 163  正答率 : 49.4%

 国家試験問題

国家試験問題
2型糖尿病の治療に使用される薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ミチグリニドは、スルホニル尿素受容体に結合してATP感受性Kチャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させる。


2 ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を活性化することで、脂肪細胞の分化を促進する。


3 イプラグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、小腸でのグルコースの吸収を選択的に抑制する。


4 リナグリプチンは、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)受容体を活性化することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。


5 メトホルミンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を阻害することで、骨格筋でのグルコーストランスポーター4(GLUT4)の細胞膜への移行を促進する。

 解説動画  ( 00:00 / 06:55 )

限定公開

 ビデオコントロール

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 163    

 e-REC解説

解答 1、2

1 正
ミチグリニドは、速攻型インスリン分泌促進薬であり、スルホニル尿素(SU)構造を持たないが、スルホニル尿素受容体に結合してATP感受性Kチャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させ、インスリン分泌を促進する。

2 正
ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を活性化することで、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化促進、大型脂肪細胞のアポトーシスを起こし、アディポネクチンの産生促進、TNF−αの産生抑制を介して、インスリン抵抗性を改善する。

3 誤
イプラグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、腎近位尿細管でのグルコースの吸収を選択的に抑制する。

4 誤
リナグリプチンは、インクレチンの分解酵素であるジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−4)を阻害することで、インクレチン濃度を高める。これにより、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。

5 誤
メトホルミンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化することで、肝臓での糖新生を抑制し、骨格筋でのグルコーストランスポーター4(GLUT4)の細胞膜への移行を促進することにより、糖利用を促進させる。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします