令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 167

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問 167  正答率 : 68.2%

 国家試験問題

国家試験問題
急性白血病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 シクロホスファミドは、活性酸素を発生させて、DNAを切断する。


2 ビンクリスチンは、チュブリンの重合を促進して、微小管を安定化させる。


3 シタラビンは、細胞内で三リン酸化されて、DNAポリメラーゼを阻害する。


4 ダウノルビシンは、RNAポリメラーゼを特異的に阻害する。


5 イマチニブは、Bcr−Ablチロシンキナーゼを阻害する。

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問 167    

 e-REC解説

解答 3、5

1 誤
シクロホスファミドは、生体内で活性化された後、腫瘍細胞のDNAのグアニン塩基をアルキル化することで、抗がん作用を示す。なお、活性酸素を発生させて、DNAを切断する薬物は、ブレオマイシンである。

2 誤
ビンクリスチンは、チュブリンの重合を阻害して、微小管重合を阻害することで、抗がん作用を示す。なお、チュブリンの重合を促進して、微小管を安定化させる薬物は、パクリタキセルなどのタキサン類である。

3 正
シタラビンは、細胞内で三リン酸化されて、シタラビン三リン酸ヌクレオチドに変換される。これが、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)及びデオキシチミジン三リン酸(dTTP)と競合し、DNAポリメラーゼを阻害することで、抗がん作用を示す。

4 誤
ダウノルビシンは、腫瘍細胞のDNA鎖に入り込む(インターカレーション)ことで、DNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼなどを阻害することで、抗がん作用を示す。

5 正
イマチニブは、Bcr−Ablチロシンキナーゼを阻害し、腫瘍細胞の増殖を抑制することで、抗がん作用を示す。

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