令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 172

Pin Off  未ブックマーク   
問 172  正答率 : 64.4%

 国家試験問題

国家試験問題
薬物の腎排泄に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 パラアミノ馬尿酸の腎クリアランスは血中濃度に比例する。


2 サリチル酸の腎クリアランスは、アスコルビン酸の併用により増大する。


3 グルコースは、尿中にほとんど排泄されない。


4 ゲンタマイシンの血中半減期は、糸球体ろ過速度の低下により長くなる。


5 メトホルミンの腎クリアランスは、クレアチニンクリアランスより小さい。

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 172    

 e-REC解説

解答 3、4

1 誤
パラアミノ馬尿酸は、糸球体ろ過と尿細管分泌のみを受ける薬物である。パラアミノ馬尿酸の腎クリアランスは、血中濃度の増加に伴って尿細管分泌の飽和が生じるため低下する。

2 誤
アスコルビン酸を併用することで尿のpHが酸性に変化するため、弱酸性物質であるサリチル酸は、分子形分率の増加に伴い再吸収されやすくなる。よって、サリチル酸の腎クリアランスは、アスコルビン酸の併用により低下する。

3 正
グルコースは、糸球体ろ過と近位尿細管での再吸収のみを受け、通常尿中にはほとんど排泄されない。

4 正
ゲンタマイシンは、糸球体ろ過のみで尿中に排泄される。よって、ゲンタマイシンの血中半減期は、糸球体ろ過速度の低下により長くなる。

5 誤
メトホルミンは主に糸球体ろ過と尿細管分泌により排泄され、クレアチニンは主に糸球体ろ過により排泄される。メトホルミンの腎クリアランスは、糸球体ろ過と尿細管分泌を合わせた値を示し、クレアチニンクリアランス(クレアチニンの腎クリアランス)は、糸球体ろ過のみの値を示す。よってメトホルミンの腎クリアランスは、クレアチニンクリアランスより大きい。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします