令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 176

Pin Off  未ブックマーク    |  |  |   
問 176  正答率 : 50.1%

 国家試験問題

国家試験問題
図は、well−stirred modelに基づいた肝臓からの薬物消失モデルを示したものである。このモデルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、CLintは肝固有クリアランス、fuは血中タンパク非結合形分率、Cinは肝臓に流入する部位における血中薬物濃度、Coutは肝臓から流出する部位における血中薬物濃度、Qhは肝血流量とする。

スクリーンショット 2022-06-16 14.03.11.png

1 肝臓中の非結合形薬物濃度は不均一である。


2 肝組織中の非結合形薬物濃度はCinに等しい。


3 肝臓からの見かけの薬物消失速度は、CLint×fu×Coutと表される。


4 肝臓における薬物量の変化速度は、Qh×CinQh×CoutCLint×fu×Coutと表される。


5 定常状態におけるCLintQhにほぼ等しい。

 解説動画  ( 00:00 / 0:00:00 )

限定公開

 ビデオコントロール

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 176    

 e-REC解説

解答 3、4

1 誤
well−stirred modelは、臓器血管内に流入した薬物は瞬時に攪拌され、臓器内では均一な濃度(Cout)を示すと仮定したモデルである。

2 誤
肝組織中の非結合形薬物濃度は均一であり、肝組織中の非結合形薬物濃度は(fu×Cout)に等しくなる。

3 正
肝臓からの見かけの薬物消失速度は、肝固有クリアランスCLint×肝組織中の非結合形薬物濃度(fu×Cout)で表すことができCLint×fu×Coutとなる。

4 正
肝臓における薬物量の変化速度は、流入速度-流出速度-消失速度となるため、①式で表すことができる。
肝臓における薬物量の変化速度=Qh×CinQh×CoutCLint×fu×Cout・・・①

5 誤
定常状態においては、肝臓内の変化量がない状態(肝臓における薬物量の変化速度=0)のことであるため肝臓における薬物量の変化速度は、流入速度-流出速度-消失速度で表すことができるため、②式で表すことができる。
肝臓における薬物量の変化速度=Qh×CinQh×CoutCLint×fu×Cout=0・・・②
②式を変換すると、CLintは③式で表すことができる。
スクリーンショット 2022-06-16 14.12.22.png

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします