令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 179

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問 179  正答率 : 56.1%

 国家試験問題

国家試験問題
図の装置を用いて、懸濁剤に分散している球状の粉末粒子の粒子径を測定した。本測定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、分散媒、分散粒子の密度はそれぞれ1.0 g/cm3、2.0 g/cm3とする。

スクリーンショット 2022-06-16 12.47.54.png


1 アンドレアゼンピペットを用いた沈降法による粒子径測定である。


2 ラングミュア式を利用して粒子径を算出する。


3 コロイド粒子の粒子径を測定することができる。


4 懸濁剤に分散している粒子径を1/3にすると、分散粒子の沈降速度は1/3になる。


5 増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6倍、分散媒の密度を1.2 g/cm3にすると、分散粒子の沈降時間は2倍になる。

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問 179    

 e-REC解説

解答 1、5

1 正
図の装置は、アンドレアゼンピペットであり、沈降法による粒子径測定に用いられる。

2 誤
沈降法は、分散媒中に懸濁粒子(粒子径1 µm〜100 µm)が球形のまま等速沈降すると仮定し、ストークス式を利用して粒子径を算出する方法である。

スクリーンショット 2022-06-29 14.41.31.png

3 誤
コロイド粒子(粒子径1 µm以下)は、溶液中でブラウン運動をしているため、沈降法による粒子径測定はできない。

4 誤
ストークス式より、分散粒子の沈降速度vは粒子径dの2乗に比例する。
したがって、懸濁剤に分散している粒子径を1/3にすると、分散粒子の沈降速度は1/9になる。

5 正
ストークス式より、分散粒子の沈降時間tは、分散媒の粘度η0に比例し、分散粒子と分散媒の密度差(ρ-ρ0)に反比例する。また、分散媒の密度を1.2 g/cm3とすると、分散粒子と分散媒の密度差(ρ-ρ0)は、増粘剤添加前1.0 g/cm3(2.0 g/cm3-1.0 g/cm3)から、増粘剤添加後0.8 g/cm3(2.0 g/cm3-1.2 g/cm3)となり、0.8倍となる。
したがって、増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6倍、分散媒の密度を1.2 g/cm3にすると、分散粒子の沈降時間は2倍(1.6/0.8)になる。

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