平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 188

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問 188  正答率 : 63.3%

 国家試験問題

国家試験問題
臓器移植の拒絶反応に用いる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 グスペリムスは、抗CD25モノクローナル抗体であり、急性拒絶反応の治療に用いられる。


2 タクロリムスは、カルシニューリンを阻害して、T細胞におけるインターロイキン-2の産生を抑制する。


3 ミコフェノール酸モフェチルは、急性拒絶反応治療の第一選択薬である。


4 抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンは、急性拒絶反応の治療に用いられる。


5 シクロスポリンは、ほ乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害作用に基づく免疫抑制により、腎移植に用いられる。

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問 188    

 e-REC解説

解答 2、4

1 誤
グスペリムスは、細胞障害性Tリンパ球の成熟および増殖を抑制することにより、腎移植後の拒絶反応(促進及び急性)の治療に用いられる。なお、免疫抑制作用をもつ抗CD25モノクローナル抗体として、バシリキシマブが挙げられる。

2 正
タクロリムスやシクロスポリンは、ヘルパーT細胞におけるカルシニューリンを阻害し、核内転写因子の移行を抑制することで、インターロイキン-2の産生を抑制する。この免疫抑制作用により、本剤は臓器移植後の拒絶反応の抑制に用いられる。

3 誤
急性拒絶反応治療の第一選択は、副腎皮質ステロイド性薬のパルス療法が用いられる。

4 正
抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンは、ヒトT細胞表面に結合し、補体依存性の細胞障害を引き起こすことにより、T細胞を減少させる。この免疫抑制作用により、本剤は臓器移植後の拒絶反応の抑制に用いられる。

5 誤
解説2参照。なお、本問は、テムシロリムスに関する記述である。

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