令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 190

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問 190  正答率 : 62.9%

 国家試験問題

国家試験問題
48歳男性。建設業に従事しており、高所での作業が多い。40歳時の健康診断で高血糖を指摘されて以降、近医に通院している。現在は以下の薬剤及び用法用量で2型糖尿病、高血圧、安定狭心症及び脂質異常症の治療を受けている。

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指導された食事療法と運動療法は遵守できている。今回受診の身体所見と検査所見は以下のとおりであった。

身長174 cm、体重72 kg、血圧128/78 mmHg
空腹時血液検査結果:血糖124 mg/dL、HbA1c 7.2%、
総コレステロール220 mg/dL、
TG(トリグリセリド)148 mg/dL、HDL−C 70 mg/dL、
LDL−C 148 mg/dL、血清クレアチニン 0.7 mg/dL、
eGFR 86 mL/分/1.73 m2
尿検査結果:糖(4+)、蛋白(±)、潜血(-)、ケトン体(-)、
尿アルブミン/クレアチニン比50 mg/gCr

各薬剤の添付文書上の用法用量は以下のとおりとする。

スクリーンショット 2023-06-06 15.40.08.png

今回の所見を踏まえた治療の変更として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 メトホルミン塩酸塩を増量する。


2 グリメピリドを追加する。


3 アムロジピンを増量する。


4 ピタバスタチンCaを増量する。


5 イコサペント酸エチルを追加する。

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問 190    

 e-REC解説

解答 1、4

本患者は検査所見において、HbA1c 7.2%、LDL−C148 mg/dLと高値を示しているため、糖尿病および高コレステロール血症治療の強化が必要である。

1 正
メトホルミン塩酸塩は、ビグアナイド系経口血糖降下薬であり、血糖コントロールのために用いられていると考えられる。現在、本患者の1日投与量は初回投与量の500 mgであるため、維持量の750 mg〜1,500 mgまで増量するのが適切である。

2 誤
グリメピリドは、スルホニルウレア系経口血糖降下薬(SU剤)であり、血糖コントロールのために用いられる。解説1より、本患者はまずメトホルミン塩酸塩を維持量まで増量することが優先されるため、現時点ではグリメピリドの追加を行うのは適切ではない。

3 誤
アムロジピンは、ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル遮断薬であり、血圧コントロールのために用いられていると考えられる。本患者の血圧は128/78 mmHgと正常範囲内であるため、アムロジピンの増量は必要ない。

4 正
ピタバスタチンCaは、スタチン系高コレステロール血症治療薬であり、脂質コントロールのために用いられていると考えられる。現在、本患者の1日投与量は1 mgであり、本剤の1日最大用量は4 mgであるため、増量するのが適切である。

5 誤
イコサペント酸エチルは、オメガ-3系脂肪酸の高トリグリセリド血症治療薬であり、脂質コントロールのために用いられる。本患者のTG(トリグリセリド)は148 mg/dLと正常範囲内であるため、イコサペント酸エチルの追加は必要ない。

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