令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 200,201

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問 200  正答率 : 69.1%
問 201  正答率 : 75.5%

 国家試験問題

国家試験問題
52歳男性。会社員。2年前にソフトコンタクトレンズの定期検診で眼圧を測定したところ、平均ベースライン眼圧は右眼16 mmHg、左眼18 mmHgであったが、両眼で視野狭窄及び欠損があったため、正常眼圧緑内障と診断された。処方1による治療が開始されたが、その後、進行したため3ヶ月前から処方2が追加された。

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男性が来局した際、薬剤師が点眼液の使用状況を確認したところ、数週間前から処方2の使用が2〜3日おきであることがわかった。男性は、処方2の使用直後に不快なべたつきを感じることと、処方1と2の使用の間に待つ時間が長すぎるので処方2の使用を忘れてしまうことを理由として挙げた。

問200(物理・化学・生物)
男性が感じた不快なべたつきの原因の1つに点眼液のゲル化が考えられる。処方2の点眼液が点眼前はゾル状態、点眼後はゲル状態になるのに主に関わる物質はどれか。1つ選べ。

1 メチルセルロース


2 マクロゴール4000


3 クエン酸ナトリウム水和物


4 ベンザルコニウム塩化物


5 チモロール




問201(実務)
薬剤師が患者の訴えについて処方医に相談すると、再度診察を実施することになった。その後、処方1及び2が中止となり処方3へ変更となった。

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薬剤師が患者に再度説明する使用上の注意として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 ソフトコンタクトレンズを装着したまま点眼できる。


2 点眼し忘れた場合は、翌日、朝と夕に点眼する。


3 点眼後に一時的に視界がかすんで見えることがある。


4 点眼後、目のまわりについた薬液は、すぐに拭き取るか目を閉じて洗顔する。


5 点眼後にまだべたつきを感じるときは、点眼容器を下に向けキャップをしたまま2〜3回振ってから使用すると回避できる。

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問 200    
問 201    

 e-REC解説

問200 解答 1

チモロール点眼液が点眼前は流動性のあるゾル状態で、点眼後は流動性のないゲル状態になるのに主に関わる物質は、メチルセルロースである。メチルセルロースは、熱ゲル化剤であり、体温によりゲル化することで結膜嚢での薬物滞留性を向上させる。


問201 解答 3、4

1 誤
本剤に含まれるベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズを変色させることがあるため、点眼前にはソフトコンタクトレンズを外し、15分以上経過してから再度装着する。

2 誤
本剤は、頻回投与により眼圧下降作用が減弱する可能性があるため、1日1回を超えて投与しないこととされている。

3 正
本剤を点眼後、一時的に視界がかすむ(霧視)ことがあるため、症状が回復するまでは機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう服薬指導する。

4 正
本剤の有効成分であるラタノプロストの投与により、虹彩や眼瞼の色素沈着が報告されているため、目のまわりについた薬液は、すぐに拭き取るか目を閉じて洗顔するよう服薬指導する。

5 誤
本剤は、水性点眼剤のため、処方2とは異なりべたつきを感じにくい薬剤である。なお、使用前に点眼容器を振ってから使用するのは、懸濁性点眼液である。

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