平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 202,203

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問 202  正答率 : 80.5%
問 203  正答率 : 66.0%

 国家試験問題

国家試験問題
25歳女性。テニスで上腕部の筋肉痛を自覚し、これに効く消炎鎮痛薬の貼付剤を購入する目的で薬局を訪れた。応対した薬剤師はこの女性から以下の4つの情報を聴取した。

・喘息の既往はない。
・現在、妊娠はしていない。
・貼付剤で皮膚がかぶれたことはない。
・以前に日焼け止め剤を使用して過敏症を発症したことがある。

問202(実務)
薬局で購入できる貼付剤の成分のうち、この女性に推奨すべきでないのはどれか。1つ選べ。

1 ケトプロフェン


2 ロキソプロフェンナトリウム水和物


3 インドメタシン


4 フルルビプロフェン


5 フェルビナク




問203(物理・化学・生物)
日焼け止め剤には、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤が配合されている。ある紫外線吸収剤は共役系を持ち、その遷移エネルギーは360 kJ・mol-1であった。この遷移エネルギーに相当する紫外線の波長(nm)として最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、様々な物理定数は以下の値を用いることとする。

プランク定数 6.6×10-34 J・s
光速度 3.0×108 m・s-1
アボガドロ定数 6.0×1023 mol-1

1 240


2 270


3 300


4 330


5 360

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問 202    
問 203    

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問202 解答 1

本設問の選択肢のうち、この女性に推奨すべきでないのは、ケトプロフェンを含有する貼付剤である。本患者は設問より「以前に日焼け止め剤を使用して過敏症を発症したことがある。」とあることから、日焼け止め剤に含まれているオキシベンゾン及びオクトクリレンに対して過敏症があると考えられる。設問で問われている薬局で購入できる一般用医薬品のうち、ケトプロフェンの添付文書には「してはいけないこと」の項目にオキシベンゾン及びオクトクリレンを含有する製品(日焼け止め、香水等)に対して過敏症のある患者には使用してはいけない旨が記載されている。なお、設問で問われているその他の貼付剤の添付文書の「してはいけないこと」の項目に妊婦または妊娠していると思われる人、喘息を起こしたことがある人は使用してはならないと記載されているが、本患者は設問より「喘息の既往はない。」、「現在、妊娠はしていない。」とあることから、ケトプロフェン以外の成分を含む貼付剤の推奨は可能であると考えられる。


問203 解答 4

光(電磁波)は「光子」と呼ばれる粒子として存在しており、光子1個のもつエネルギーは式①で表される。
スクリーンショット 2017-12-13 16.35.29.png
また、光速度は、式②で表すことができる。
スクリーンショット 2017-12-13 16.36.39.png
式①に式②を代入すると式③で表すことができる。
スクリーンショット 2017-12-13 16.37.56.png
式③に、与えられた数値(プランク定数6.6×10-34 J・s、光速度3.0×108 m・s-1、アボガドロ定数 6.0×1023 mol-1)を代入すると、遷移エネルギー360 kJ・mol-1に相当する紫外線の波長(nm)は以下のように計算される。なお、Eは光子1個あたりのエネルギーであるため、1 molあたりの遷移エネルギー360 kJ・mol-1を1 molあたりの粒子数を表すアボガドロ定数6.0×1023 mol-1で割って計算される。
スクリーンショット 2017-12-13 16.40.43.png

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