令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 204,205,206,207

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問 204  正答率 : 66.1%
問 205  正答率 : 77.0%
問 206  正答率 : 48.5%
問 207  正答率 : 65.5%

 国家試験問題

国家試験問題
50歳男性。高血圧の治療のため、近隣の内科クリニックに通院中である。喫煙歴30年(1日40本)。かかりつけ薬剤師に患者から電話相談があり、「昨日、晴天の中ゴルフに出かけたところ、衣服から露出した部分が赤く日焼けのようになった」と相談があった。薬剤師が薬剤服用歴を確認したところ、光線過敏症の可能性が疑われたので、皮膚科受診を勧めた。

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問204(実務)
皮膚症状の原因として、考えられる薬剤はどれか。2つ選べ。

1 テモカプリル塩酸塩錠


2 ヒドロクロロチアジド錠


3 ゾルピデム酒石酸塩錠


4 モサプリドクエン酸塩錠


5 ケトプロフェンテープ




問205(実務)
前述の患者が皮膚科を受診し、光線過敏症の診断を受け、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。

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皮膚科から処方された噴霧剤に関する説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 炎症に伴う発赤、腫れ、かゆみなどの症状を改善します。


2 患部に水疱ができている場合は使用しないでください。


3 患部に傷がある場合でも使用できます。


4 目の周りの症状にも使用できます。


5 たばこなどの火気を避けて使用してください。




問206(物理・化学・生物)
光線過敏症は、体表面に近い部分に分布した薬物が電磁波を吸収することにより誘発される。光線過敏症を誘発する電磁波に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 キセノンランプが放射する光に含まれる。


2 原子核のスピン遷移に伴い吸収・放射される。


3 水分子の回転運動を直接引き起こす。


4 SPECTやPETに利用される。


5 n-π遷移やπ-π遷移を引き起こす。




問207(物理・化学・生物)
薬剤師は患者に対し、今後の対応として日焼け止め剤の利用を勧めることにした。日焼け止め剤に含まれている化合物のうち、光線過敏症の発症に予防的に機能することが期待されるものとして、適切でないのはどれか。1つ選べ。

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問204 解答 2、5

ヒドロクロロチアジド錠などのチアジド系利尿薬やケトプロフェンテープなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、光線過敏症を引き起こす可能性が高い薬剤である。これらの薬剤は、服用中(使用中)に日光などの強い紫外線にさらされた皮膚に、炎症に伴う発赤、腫れ、かゆみなどの症状を生じさせることがある。


問205 解答 1、5

本患者のような薬剤性光線過敏症の対処としては、まず、原因薬を中止し、日光への曝露を極力回避した上で、抗ヒスタミン剤や副腎皮質ステロイド性を用いる。本噴霧剤(トプシムスプレー0.0143%)は、副腎皮質ステロイド性薬であるフルオシノニドを含有し、炎症に伴う発赤、腫れ、かゆみなどの症状の改善目的で処方されていると考えられる。

1 正
前記参照

2 誤
本噴霧剤は、患部に水疱ができている場合でも使用することができる。

3 誤
本噴霧剤は、患部に傷(亀裂やびらん)がある場合、使用を避ける必要がある。

4 誤
本噴霧剤は、眼瞼皮膚へ使用した際に眼圧亢進や緑内障を起こすことがあるため、目の周りの症状には使用できない。

5 正
本噴霧剤には可燃性の高圧ガスを使用されていることが多いため、火気を避けて使用するよう指導する必要がある。


問206 解答 1、5

光線過敏症は、体表面に近い部分に分布した薬物が電磁波である紫外線を吸収することにより誘発される。

1 正
キセノンランプが放射する光に含まれる電磁波は、紫外線(及び可視光線、赤外線)である。

2 誤
原子核のスピン遷移に伴い吸収・放射される電磁波は、ラジオ波である。

3 誤
水分子の回転運動を直接引き起こす電磁波は、マイクロ波である。

4 誤
SPECTやPETに利用される電磁波は、γ線である。

5 正
n-π遷移やπ-π遷移を引き起こす電磁波は、紫外線(及び可視光線)である。


問207 解答 4

光線過敏症は皮膚に紫外線が当たることにより誘発されるため、日焼け止め剤が紫外線を吸収する(もしくは散乱する)ことで発症を予防できると考えられる。一般に、長い共役二重結合を有する化合物は紫外線を吸収するため、長い共役二重結合を有する選択肢1(L−アスコルビン酸)、選択肢2(トコフェロール酢酸エステル)、選択肢3(レチノールパルミチン酸エステル)、選択肢5(ユビキノール)の化合物は光線過敏症の発症に予防的に機能することが期待される。

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