平成25年度 第98回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 216,217

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問 216  正答率 : 55.0%
問 217  正答率 : 55.6%

 国家試験問題

国家試験問題
60歳女性。乳がんの腸骨転移による骨病変のため、ゾレドロン酸水和物注射液が投与されることになった。

問216(実務)
ゾレドロン酸水和物注射液による重大な副作用はどれか。2つ選べ。

1 急性腎不全


2 顎骨壊死


3 増殖性歯肉炎


4 骨粗しょう症




問217(物理・化学・生物)
ゾレドロン酸は、骨代謝に影響する薬物である。骨代謝に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 カルシウムが、血液中から吸収されて骨に沈着することを骨吸収という。
2 骨芽細胞は、コラーゲンなどの有機物を分泌し、骨形成を進行させる。
3 上皮小体ホルモン(PTH)は、腎臓からのカルシウムの排泄を促進させる。
4 上記の処方から、この患者では高カルシウム血症が生じていると考えられる。

5 ゾレドロン酸は、破骨細胞を活性化させる。

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問 216    
問 217    

 e-REC解説

問216 解答 1、2

ゾレドロン酸水和物注射液の重大な副作用としては、急性腎不全・間質性腎炎、うっ血性心不全、低カルシウム血症、間質性肺炎、顎骨壊死・顎骨骨髄炎、大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折などがある。


問217 解答 2、4

1 誤
血液中に存在するカルシウムが、骨芽細胞の働きで骨に沈着することを骨形成という。

2 正
骨芽細胞は、オステオカルシンやコラーゲンなどを分泌することで、骨形成を進行させる。

3 誤
上皮小体ホルモン(PTH)は、腎尿細管におけるカルシウムの再吸収を促進し、血中カルシウム濃度を上昇させる。

4 正
乳がんの骨転移による骨の溶解により、高カルシム血症が生じる。そのため、骨の溶解(骨吸収)を抑制する目的で、ゾレドロン酸水和物注射液が処方されていると考えられる。

5 誤
ゾレドロン酸は、破骨細胞による骨吸収を抑制する。

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