令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 228,229

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問 228  正答率 : 83.6%
問 229  正答率 : 78.6%

 国家試験問題

国家試験問題
小学生の男児がサッカークラブに加入した。母親は、これを機に自宅の救急箱を充実したいと考え、かかりつけの薬局を訪れた。男児は過去に栗きんとんや大量の甘栗を摂取した際に呼吸困難、全身にかゆみを伴うむくみとじん麻疹を経験したことがある。バナナ、アボカドを摂取しても同様の症状が現れたことがある。

問228(実務)
この男児に使用するものとして販売を避けることが適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、( )内は原材料を示す。

1 使い捨て手袋(ポリエチレン)


2 医療用指サック(100%天然ゴム)


3 伸縮包帯(ポリエステル、ポリウレタン)


4 白色ワセリン


5 眼帯(パッドストッパー部はポリ塩化ビニル、パッド部は不織布、脱脂綿/ひも部は綿)




問229(衛生)
この男児への使用を避けることが適切な製品及び関連する食物アレルギーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 この製品の主成分と、栗やバナナに含まれる成分には、共通の構造をもつエピトープが存在する。


2 この製品の主成分から脱炭酸反応によって生じるヒスタミンが、アレルギーの原因である。


3 この製品をこの男児が使うと、I型アレルギーが誘発される可能性がある。


4 栗やバナナは、重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、これらを含む食品には特定原材料(7品目)として表示する義務がある。


5 食物アレルギーは、消化管機能が未熟な幼児期にのみ起こる。

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問 228    
問 229    

 e-REC解説

問228 解答 2

問題文「男児は過去に栗きんとんや大量の甘栗を摂取した際に呼吸困難、全身にかゆみを伴うむくみとじん麻疹を経験したことがある。」「バナナ、アボカドを摂取しても同様の症状が現れたことがある。」より、この男児は、ラテックス・フルーツ症候群であると推測できる。ラテックス・フルーツ症候群とは、皮膚と天然ゴム中のラテックスとの接触により、Ⅰ型アレルギーを発現するラテックスアレルギーの患者が、栗やバナナ、アボカドなどを摂取すると、フルーツ中に含まれるラテックスと共通のエピトープにより同様のアレルギー症状(交差反応)を引き起こすものである。そのため、選択肢2の医療用指サック(100%天然ゴム)の販売を避けるべきである。


問229 解答 1、3

1 正
前問参照

2 誤
脱炭酸反応によって生じるヒスタミンがアレルギーの原因となるのは、食物アレルギーではなく、アレルギー様食中毒である。

3 正
前問参照

4 誤
食品表示法に基づいて表示の義務がある特定原材料(特に発症数、重篤度から勘案して表示する必要が高い品目)は、そば、落花生、卵、乳、小麦、えび、かにの7品目である。そのため、栗やバナナに表示の義務はない。

5 誤
食物アレルギーは、消化器官が未発達な乳幼児で多く発症するが、成人でも発症することがある。

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