平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 238,239

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問 238  正答率 : 72.5%
問 239  正答率 : 93.0%

 国家試験問題

国家試験問題
40歳女性。身長156 cm。体重65 kg。会社を経営し、ストレスを感じている。食生活も不規則で、運動もほとんどしない。最近、急に便秘がひどくなり、お腹が張るようになった。両親とも大腸がんで亡くなっていることから心配になり、相談のため薬局を訪れた。

問238(実務)
大腸がんの検査について薬剤師が行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 年齢を考慮すると定期的な検査が必要です。


2 大腸がんの検査では、通常、まず遺伝子診断が行われます。


3 早期の大腸がんは症状がなく、早期発見には便潜血検査が有効です。


4 大腸内視鏡検査では、結腸は調べられますが、直腸は調べられません。


5 大腸がんの血液検査では、腫瘍マーカーとして、AFP(α-フェトプロテイン)を調べます。




問239(衛生)
大腸がんの発症リスクに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 親や兄弟などに大腸がんの人がいる場合、発症リスクが高い。


2 肥満は、発症リスクを上げる。


3 ベーコンなどの加工肉の摂取は、発症リスクを下げる。


4 魚由来の不飽和脂肪酸の摂取は、発症リスクを上げる。


5 運動習慣の有無は、発症リスクに影響しない。

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問 238    
問 239    

 e-REC解説

問238 解答 1、3

1 正
大腸がんの罹患率は、60〜70代で高く、40歳代から増加傾向にあるため、大腸がんの検診は、40歳を超えると毎年受けることが推奨されている。

2 誤
大腸がんの検査は、はじめに便潜血検査を行う。なお、大腸がんに対して抗がん剤(セツキシマブ、パニツムマブなど)を使用する際に、遺伝子診断が行われることがある。

3 正
早期の大腸がんは、自覚症状がほとんどないが、血便や下血があるため、早期発見には便潜血検査が有効である。

4 誤
大腸内視鏡検査では、大腸全域を調べることができる。よって、結腸だけでなく直腸も調べることができると説明する。

5 誤
大腸がんの血液検査では、腫瘍マーカーとして、CA19−9や癌胎児性抗原(CEA)を調べる。


問239 解答 1、2

1 正
家族歴は、大腸がんのリスク要因になるとされている。

2 正
肥満は、大腸がんの発症リスクを上げるとされている。

3 誤
ベーコンなどの加工肉の摂取は、大腸がんの発症リスクを上げる。

4 誤
魚由来の不飽和脂肪酸の摂取は、大腸がんの発症リスクを下げる。

5 誤
運動は、大腸がんの発症リスクを下げるため、運動習慣の有無は、大腸がんの発症リスクに影響を与える。

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