平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 246,247

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問 246  正答率 : 68.6%
問 247  正答率 : 43.1%

 国家試験問題

国家試験問題
53歳男性。尿酸値が高く、3週間前より処方1で治療を開始。その2週間後、尿酸値が改善されなかったので処方2及び処方3が追加となった。
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処方2及び処方3を追加して7日後、患者より「新年会が続き、ビールを飲む量が増えており、足の親指が腫れて激しい痛みが生じてきた。」との訴えがあった。

問246(実務)
この場合の処置として適切なのはどれか。1つ選べ。

1 フェブキソスタットを40 mgに増量する。


2 ベンズブロマロンを50 mgに増量する。


3 フェブキソスタットを40 mgに増量し、ベンズブロマロンを50 mgに増量する。


4 フェブキソスタットとべンズブロマロンを中止し、コルヒチンを追加する。


5 処方1、処方2及び処方3はそのままで、インドメタシンを追加する。




問247(薬理)
処方された薬物及び前問で挙げた薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 プロスタグランジンE2の産生を抑制する。


2 尿酸を酸化してアラントインと過酸化水素に分解する。


3 代謝物のオキシプリノール(アロキサンチン)がキサンチンオキシダーゼを阻害する。


4 腎臓の尿細管において尿酸トランスポーターを阻害する。


5 T細胞のチューブリンに結合し、微小管の脱重合を抑制して安定化する。

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問 246    
問 247    

 e-REC解説

問246 解答 5

問題文中に、「足の親指が腫れて激しい痛みが生じてきた。」という患者の訴えが記載されていることから、痛風発作が起こっていることがわかる。痛風発作時は激しい疼痛を伴い、患者のQOLが著しく低下するため、疼痛の除去を目的としてインドメタシンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などを使用する。なお、痛風発作時における血中尿酸値の変動は、痛風発作を増悪するおそれがあるため、現在服用中の薬は継続して使用する。


問247 解答 1、4

1 正
インドメタシンなどNSAIDsに関する作用機序である。NSAIDsは、シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、プロスタグランジン類産生を抑制し、抗炎症作用を示す。

2 誤
ラスブリカーゼの作用機序である。ラスブリカーゼは、尿酸をアラントインと過酸化水素に分解することで血中尿酸値を低下させる。

3 誤
アロプリノールの作用機序である。アロプリノールは、キサンチンオキシダーゼを阻害することで、尿酸の生合成を抑制する。また、代謝物のオキシプリノール(アロキサンチン)も、キサンチンオキシダーゼ阻害作用を有する。

4 正
ベンズブロマロンなどの尿酸排泄促進薬に関する作用機序である。尿酸排泄促進薬は、腎臓の近位尿細管上に存在する尿酸トランスポーターを阻害することで、尿酸の再吸収を抑制し、尿酸排泄を増加させる。

5 誤
設問の作用機序に該当する薬剤はない。なお、コルヒチンは、好中球のチューブリンと結合し、微小管の重合を抑制することで、好中球細胞の増殖を抑制する。その結果、好中球の関節炎症部位への遊走を抑制するため、痛風発作の予防に用いられる。

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