令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 250,251

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問 250  正答率 : 76.4%
問 251  正答率 : 44.9%

 国家試験問題

国家試験問題
50歳男性。会社員。人事異動で1年前に本社の営業課長を命じられた。しかし仕事に順応できず、ストレス、不安感及び過食が3ヶ月続いた。上司のすすめもあり心療内科を受診し、うつ病と診断され以下の処方1で治療中である。

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内服開始後、特に副作用は現れていないが、十分な効果が認められないため、医師は処方に新たに薬剤を追加して併用療法を行いたいと考えている。なお、男性は現在排尿障害を伴う前立腺肥大症で処方2を内服中である。

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問250(実務)
この患者に対して禁忌ではなく、併用療法として用いることができる薬物はどれか。1つ選べ。

1 アミトリプチリン


2 アリピプラゾール


3 マプロチリン


4 ミルナシプラン


5 クロミプラミン




問251(薬理)
前問において禁忌のため用いることができないと判断された薬物は、この患者の症状を悪化させるおそれがある。その理由はどれか。2つ選べ。

1 ドパミンD2受容体が遮断されるため。


2 ムスカリンM3受容体が遮断されるため。


3 セロトニン5−HT3受容体が遮断されるため。


4 アドレナリンα1受容体が刺激されるため。


5 アンドロゲン受容体が刺激されるため。

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問 250    
問 251    

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問250 解答 2

本患者に併用療法として用いることができる薬物は、アリピプラゾールである。アリピプラゾールは、既存治療で十分な効果が認められないうつ病・うつ状態に適応があり、また、本患者のように排尿障害を伴う前立腺肥大症を罹患している場合でも禁忌ではない。
一方で、他の選択肢の薬剤は、排尿障害を伴う前立腺肥大症を悪化させる可能性があるため、本患者には禁忌である。三環系抗うつ薬のアミトリプチリンやクロミプラミン、四環系抗うつ薬のマプロチリンは、ムスカリンM3受容体遮断作用により排尿障害を悪化させる。また、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のミルナシプランは、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用による間接的なアドレナリンα1受容体刺激作用により排尿障害を悪化させる。


問251 解答 2、4

前問解説参照

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