平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 254,255

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問 254  正答率 : 66.9%
問 255  正答率 : 62.6%

 国家試験問題

国家試験問題
42歳女性。食後、みぞおちに差し込むような痛みが続いたため内科を受診し、胆石症による痛みと診断された。

問254(実務)
この患者の治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 ウルソデオキシコール酸


2 カモスタットメシル酸塩


3 ランソプラゾール


4 フロプロピオン


5 シメチジン




問255(薬理)
前問で適切と考えられた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 胆石表面のコレステロールをミセル化することで胆石を溶解する。


2 胆嚢からの胆汁排泄を抑制する。


3 カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害することでOddi括約筋を弛緩させる。


4 タンパク質分解酵素を阻害する。


5 H,K-ATPaseを阻害する。

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問 254    
問 255    

 e-REC解説

問254 解答 1、4

選択肢のうち、胆石症に適応がある医薬品は、ウルソデオキシコール酸とフロプロピオンである。

1 正
ウルソデオキシコール酸は、外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解に用いられるほか、利胆、肝機能改善目的などに用いられる。

2 誤
カモスタットメシル酸塩は、慢性膵炎における急性症状の緩解や術後逆流性食道炎に用いられる。

3 誤
ランソプラゾールは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、ヘリコバクター・ピロリ除菌の補助などに用いられる。

4 正
フロプロピオンは、胆石症のほか、膵炎や尿路結石に伴う鎮痙効果を目的に用いられる。

5 誤
シメチジンは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などに用いられる。


問255 解答 1、3

ウルソデオキシコール酸は、胆汁中の胆汁酸を補充することで、胆石表面のコレステロールをミセル化して溶解する。
フロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害することでOddi括約筋を弛緩させ、胆汁・膵液の十二指腸への排出を促進する。

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