平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 258,259

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問 258  正答率 : 70.9%
問 259  正答率 : 59.5%

 国家試験問題

国家試験問題
30歳男性。会社内昇格人事で1年前に営業職のリーダーを命じられた。リーダーとしての仕事に順応できず、ストレスを抱え、入眠困難、食欲低下が半年続いた。今回かかりつけのクリニックを受診し、軽症のうつ病と診断された。主治医より、治療薬について問い合わせがあった。

問258(実務)
主治医に推奨すべき薬剤の成分はどれか。2つ選べ。

1 パロキセチン塩酸塩水和物


2 クロザピン


3 イフェンプロジル酒石酸塩


4 ミルタザピン


5 ラモトリギン




問259(薬理)
前問で推奨した成分の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。

1 Naチャネル遮断による神経興奮の抑制


2 Clチャネル遮断によるGABA作動性神経系の抑制


3 セロトニントランスポーター阻害によるセロトニン作動性神経系の活性化


4 ノルアドレナリントランスポーター阻害によるノルアドレナリン作動性神経系の活性化


5 シナプス前部のアドレナリンα2受容体遮断によるセロトニンとノルアドレナリンの放出促進

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問 258    
問 259    

 e-REC解説

問258 解答 1、4

問題文より、本患者は、軽症のうつ病と診断されていることから、うつ病の適応を有するパロキセチン塩酸塩水和物やミルタザピンを主治医に推奨すべきである。

1 正
パロキセチン塩酸塩水和物は、セロトニントランスポーター阻害によるセロトニン作動性神経系の活性化作用を有し、うつ病の治療に用いられる。

2 誤
クロザピンは、多元受容体標的化抗精神病薬(MARTA)であり、統合失調症の治療に用いられる。

3 誤
イフェンプロジル酒石酸塩は、脳梗塞後遺症や、脳出血後遺症に伴うめまいの治療に用いられる。

4 正:ミルタザピンは、シナプス前部のα2受容体遮断によるセロトニンとノルアドレナリンの放出促進作用を有し、うつ病の治療に用いられる。

5 誤
ラモトリギンは、Naチャネル遮断による神経興奮の抑制し、てんかんの治療に用いられる。


問259 解答 3、5

問258解説参照

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