平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 262,263

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問 262  正答率 : 74.9%
問 263  正答率 : 73.4%

 国家試験問題

国家試験問題
50歳女性。発熱、咽頭痛を主訴として受診し、入院することとなった。入院時に薬剤師が持参薬を確認したところ、下記の薬剤を服用していることが分かった。服薬コンブライアンスは良好で、あった。
入院時検査値:体温38.7℃、血圧108/72 mmHg、赤血球数180×104/µL、白血球数2,200/µL、血小板3×104/µL、血清クレアチニン値0.7 mg/dL、BUN 18 mg/dL、AST 25 IU/L、ALT 30 IU/L、空腹時血糖値96 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Mg 2 mEq/L、胸部X線検査では肺に異常所見なし。
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問262(実務)
薬剤師は、この女性の検査所見より、服用中の薬剤の副作用を疑った。原因となった可能性の高い持参薬はどれか。1つ選べ。

1 リセドロン酸Na錠17.5mg


2 プレドニゾロン錠5 mg


3 メトトレキサートカプセル2 mg


4 酪酸菌錠(宮入菌として)20 mg


5 スクラルファート細粒90%




問263(薬理)
前問の「原因となった可能性の高い持参薬」の標的分子として正しいのはどれか。1つ選べ。

1 グルココルチコイド受容体


2 シクロオキシゲナーゼ


3 カルシニューリン


4 ジヒドロ葉酸還元酵素


5 ファルネシルピロリン酸合成酵素

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問 262    
問 263    

 e-REC解説

問262 解答 3

検査所見において、赤血球数(正常値:380〜500×104/ µL以上)、白血球数(正常値:4,000〜9,000/ µL)、血小板数(正常値:10〜40×104/µL)全てに低下傾向がみられるため、汎血球減少が疑われる。処方薬のうち副作用として汎血球減少を引き起こす可能性がある薬剤は、メトトレキサートカプセルである。


問263 解答 4

メトトレキサートは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、活性葉酸であるテトラヒドロ葉酸の産生を抑制することで、DNA合成を抑制する。抗リウマチ薬や抗悪性腫瘍薬として用いられる。

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