平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 268,269

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問 268  正答率 : 86.3%
問 269  正答率 : 87.0%

 国家試験問題

国家試験問題
60歳男性。脂質異常症及び高血圧症の診断により、現在、処方1による薬物治療を行っている。本日、処方2が追加された。

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検査値
血圧 126/76 mmHg、血清クレアチニン値 0.9 mg/dL、HbA1c 5.9%(NGSP値)、LDL-C 98 mg/dL、HDL-C 62mg/dL、TG(トリグリセリド)220 mg/dL

問268(実務)
処方2を追加した主目的として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 LDL-Cの低下


2 HDL-Cの上昇


3 TGの低下


4 血圧の低下


5 HbA1cの低下




問269(薬剤)
イコサペント酸エチル粒状カプセルを食直後に服用する理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。

1 服薬タイミングをずらすことで、イコサペント酸エチルによるピタバスタチンの肝取り込み阻害を回避するため。


2 服薬タイミングをずらすことで、ロサルタンとイコサペント酸エチルの複合体形成を回避するため。


3 食事によって胃内容排出速度を低下させることで、イコサペント酸エチルの急激な血中濃度の上昇を避けるため。


4 食事によって胃酸分泌が亢進し、イコサペント酸エチルの溶解度が増加するため。


5 食事によって分泌された胆汁酸が、イコサペント酸エチルの可溶化を促進するため。

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問 268    
問 269    

 e-REC解説

問268 解答 3

イコサペント酸エチルは、リポタンパクリパーゼ(LPL)活性化作用によりTG(トリグリセリド)の加水分解を促進し血清TG値を低下させる。本患者の検査値からTGは220 mg/dL(正常値150 mg/dL未満)であり、正常値を超えているため処方2の追加はTGの低下が主目的として考えられる。なお、LDL-Cは98 mg/dL(正常値140 mg/dL未満)、HDL-Cは62 mg/dL(正常値40 mg/dL以上)、血圧は126/76 mmHg(正常値120〜129/80〜84 mmHg)、HbA1c は5.9%(正常値4.6〜6.2%)でありいずれも正常値内である。


問269 解答 5

イコサペント酸エチル(EPA)は、不飽和脂肪酸の難溶性薬物であり、経口投与後の吸収は胆汁酸による可溶化が必要となる。胆汁酸は食事によって胆のうから分泌される。したがって、食事によって分泌された胆汁酸が、EPAの可溶化を促進するため、EPAは食直後に服用する。

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