平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 310,311

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問 310  正答率 : 19.2%
問 311  正答率 : 78.5%

 国家試験問題

国家試験問題
52歳男性。胃痛、胸やけの症状を訴え、医薬品を薬局に買いに来た。

問310(実務)
薬剤師がこの男性にすすめる医薬品として正しいのはどれか。2つ選べ。なお、表記は1回の服用量とする。( )内は1日の服用回数を示す。
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問311(法規・制度・倫理)
前問の医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 一般用医薬品は、要指導医薬品、第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品に分類される。


2 要指導医薬品の適切な使用を確保できないと認められるときは、販売してはならない。


3 店舗販売業の管理者が薬剤師であれば、登録販売者も情報提供及び指導をした上で、要指導医薬品を販売することができる。


4 第一類医薬品を販売するときは、薬剤師があらかじめ、使用しようとする者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用の状況等を確認しなければならない。


5 第三類医薬品については、当該薬局で購入した者から相談があっても、情報提供をしなくてよい場合がある。

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問 310    
問 311    

 e-REC解説

問310  解なし

胃腸障害(胃痛、胸やけなど)のうち、要指導医薬品又は一般用医薬品の使用が勧められるのは、胃酸分泌亢進や胃酸の逆流による「胃痛」や「胸やけ」、消化管の運動低下による「胃もたれ」であり、消化性潰瘍や逆流性食道炎などの可能性がある場合には、要指導医薬品や一般用医薬品を推奨せず、医療機関への受診勧奨を行う。一般的には、胃腸障害を訴えて来局した患者に対しては、患者の症状に合わせて、制酸薬、健胃薬、消化薬、H2受容体拮抗剤含有薬などの一般用医薬品を勧めることが適切である。

1 誤
本患者は、胃痛や胸やけの症状を訴えているため、胃酸分泌抑制作用を示すH2受容体拮抗剤のラニチジン塩酸塩や胃酸を中和し、胃粘膜保護作用を示す制酸薬のケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウムを勧めることは適切である。
しかし、問題文中に1回の服用量と記載があるが、設問の医薬品の表記は1日の服用量となっており、かつ、本医薬品の生産は現在終了している。そのため、適切な問題とはいえない。

2 誤
本患者は、胃痛や胸やけの症状を訴えているため、胃粘膜保護作用を示すアズレンスルホン酸ナトリウムやL-グルタミン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、鎮痛鎮痙成分であり胃酸分泌抑制作用を示すロートエキス、胃酸を中和し、胃粘膜保護作用を示す制酸薬の炭酸水素ナトリウムなどを含む製剤を勧めることは適切である。
しかし、問題文中に1回の服用量と記載があるが、設問の医薬品の表記は1日の服用量となっており、用量が超過する。そのため、適切な問題とはいえない。

3 誤
ビフィズス菌やラクトミンは、腸内フローラのバランスを整える整腸成分であり、他の3つの成分はビタミン剤であるため、これらを含有する医薬品は腹部膨満感、軟便等の訴えのある患者に適した医薬品である。

4 誤
ロートエキスは、鎮痛鎮痙成分を有し、シャクヤク乾燥エキスは腸の過度な運動を抑える。また、タンニン酸ベルベリンは腸内でタンニン酸とベルベリンに分解され、タンニン酸の収れん作用(止瀉作用)とベルベリンの抗菌・抗炎症作用を示すため、これらを含有する医薬品は下痢の訴えのある患者に適した医薬品である。

5 誤
赤ブドウ葉乾燥エキスは滞った足の血流を促すため、軽度の静脈還流障害による足のむくみやむくみによる足の重さ、痛み等を改善する作用を示すため、本エキスを含有する医薬品は運動不足や立ち仕事などによる足のむくみやだるさの訴えのある患者に適した医薬品である。


問311 解答 2、4

1 誤
一般用医薬品は、第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品に分類される。要指導医薬品は一般用医薬品に含まない。

2 正
薬局開設者又は店舗販売業者は、情報提供又は指導ができないとき、その他要指導医薬品の適正な使用を確保することができないと認められるときは、要指導医薬品を販売し、又は授与してはならない。

3 誤
要指導医薬品の販売については、適正な使用のために薬剤師の対面による情報提供及び薬学的知見に基づく指導が必要であるため、登録販売者は販売することができない。

4 正
第一類医薬品を販売するときは、薬剤師があらかじめ、使用しようとする者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用の状況等を確認しなければならない。同様の規制が、薬局医薬品や要指導医薬品にも設けられている。

5 誤
一般用医薬品については購入した者から相談があった場合には、必要な情報を提供しなければならない。これは、第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品に共通する規制である。

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