平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 318,319

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問 318  正答率 : 73.6%
問 319  正答率 : 84.1%

 国家試験問題

国家試験問題
30歳女性。甲状腺機能亢進症に対し、チアマゾールで外来治療中に、無顆粒球症が発生し死亡に至った。なお、併用薬はない。

問318(法規・制度・倫理)
この病院で安全管理を担当している薬剤師が取るべき対応として、法令上適切なのはどれか。2つ選べ。

1 製造販売業者には副作用等の報告義務があるので、副作用情報収集に積極的に協力した。


2 無顆粒球症は添付文書に記載されている既知の副作用なので、製造販売業者が行う情報収集には協力する必要はないと考えた。


3 医薬関係者には死亡日から15日以内に報告する義務があるため、直ちに死亡例について医薬品医療機器総合機構宛てに報告した。


4 この副作用の発生に対しては、保健衛生上の危害の発生の防止又は拡大を防止するため、医薬品医療機器総合機構宛てに報告した上で、その調査に協力することにした。


5 医療機関には記録の保管義務があるため、副作用が生じた原因、その対応状況などについて記録を作成して、1年間保存することにした。




問319(実務)
本剤の添付文書には、下記のような記述がある。無顆粒球症の副作用の発見のためには、白血球分画のうち、どの細胞の数を調べればよいか。1つ選べ。

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1 リンパ球


2 単球


3 好酸球


4 好中球


5 好塩基球

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問 318    
問 319    

 e-REC解説

問318 解答 1、4

1 正
医薬関係者は、医薬品等の製造販売業者等が行う医薬品等の適正使用に必要な情報の収集に協力するよう努める義務がある。

2 誤
添付文書への記載の有無に関わらず、医薬関係者は、製造販売業者等が行う情報収集に協力するよう努める義務がある。

3 誤
医療関係者が医薬品医療機器総合機構(PMDA)宛てに報告するのは、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度である。本制度に報告期限は設けられていない。報告期限(15日又は30日以内)が設けられているのは、製造販売業者等がPMDAに報告する企業報告制度である。

4 正
医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告された副作用等について、PMDAが情報の整理を行うとともに、PMDA又は製造販売業者等が報告に関する詳細調査を行うことがある。

5 誤
医療機関には、副作用が生じた原因、その対応状況などについて記録作成して保存する義務はない。


問319 解答 4

無顆粒球症とは、顆粒球のうち特に好中球が著しく減少し、免疫機能が低下する病態である。したがって、無顆粒球症の副作用の発見のためには、白血球分画のうち、好中球の細胞数を調べる。
顆粒球数が1500/μL以下に低下した状態を顆粒球減少症といい、顆粒球数が500/μL以下に低下した状態を無顆粒球症という。
血液検査では、好中球減少の早期発見を目的として、白血球分画を含めた検査をすることとしている。

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