平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 320,321

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問 320  正答率 : 71.1%
問 321  正答率 : 91.3%

 国家試験問題

国家試験問題
平成29年5月2日(火)午後7時に50代女性が母(78歳)の薬のことで自宅近くの薬局を訪れた。その女性の母は整形外科に通院しており、毎週金曜日に受診して薬を処方してもらっているが、ゴールデンウィークで整形外科が5月7日(日)まで休診であった。週明けに受診する予定だが手持ちの薬を本日で飲み切ってしまい、本人が不安を訴えているが、医師に連絡がとれないとのことであった。お薬手帳の記載内容は以下のとおり。
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問320(実務)
薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 一般用医薬品のイブプロフェン錠を販売した。


2 服用している医薬品は提供できないので、痛みがでても我慢するように伝えた。


3 休み明けに受診し、処方せんを持参することを前提に、同じ薬を調剤し交付した。


4 要指導医薬品のロキソプロフェンナトリウムテープを販売した。


5 一般用医薬品のロキソプロフェンナトリウム錠を販売した。




問321(法規・制度・倫理)
ロキソプロフェンナトリウム製剤には、医療用医薬品のほか、要指導医薬品及び一般用医薬品がある。要指導医薬品及び一般用医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 一般用医薬品は、第一類、第二類、第三類及び第四類医薬品に分類される。


2 薬局製造販売医薬品は、一般用医薬品に該当する。


3 薬局開設者は、要指導医薬品を、使用しようとする者以外の者に原則として販売してはならない。


4 薬局開設者は、第一類医薬品を販売した場合、品名、販売日時等を書面に記載しなければならない。


5 薬局開設者は、薬剤師不在時でも要指導医薬品を販売できる。

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問 320    
問 321    

 e-REC解説

問320 解答 1、5

薬剤師は、医師等の処方箋によらなければ調剤してはならないため、お薬手帳に記載された医薬品と同じ医薬品であっても処方箋なしで調剤し交付することはできない。このため、本問のような場合には、薬剤師は同じ有効成分を有する一般用医薬品や同様の薬効を示す一般用医薬品の購入を勧めることが望ましい。

1 正
イブプロフェン錠は、患者が服用しているロキソプロフェンナトリウム錠と同じ非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)に分類され、腰痛に用いることができるため、本問の薬剤師の対応は適切である。

2 誤
お薬手帳に記載された医薬品と同じ医薬品であっても処方箋なしで調剤し交付することはできないため、医療用医薬品は交付できないが、腰痛は一般用医薬品でも対応が可能であるため、痛みを我慢するように伝えるのは適切ではない。

3 誤
調剤は処方箋に基づいて行うべきであり、後日に処方箋を持参することを前提に医薬品を調剤して交付することは適切ではない。

4 誤
要指導医薬品は、大規模災害等の一部の例外を除き、原則として使用する本人に直接販売しなければならないため、本問の女性に対し女性の母親が使用する要指導医薬品のロキソプロフェンナトリウムテープを販売することはできない。

5 正
一般用医薬品のロキソプロフェンナトリウム錠は、患者が服用している医療用医薬品のロキソプロフェンナトリウム錠と同じ有効成分であり、同等の効果が期待できるため、本問の薬剤師の対応は適切である。


問321 解答 3、4

1 誤
一般用医薬品は、健康被害のリスクに応じて第一類、第二類、第三類に分類されており、第四類医薬品は存在しない。

2 誤
薬局製造販売医薬品は、薬局開設者が当該薬局における設備及び器具をもって製造し、当該薬局において直接消費者に販売・授与する医薬品であり、一般用医薬品には該当しない。

3 正
要指導医薬品は、大規模災害等の一部の例外を除き、原則として使用する本人に直接販売しなければならない。

4 正
薬局開設者は、要指導医薬品及び第一類医薬品を販売した場合、品名、販売日時等を書面に記載し、2年間保存しなければならない。

5 誤
要指導医薬品については、原則として薬剤師が対面で使用者本人に販売しなければならない。そのため、薬局開設者は、薬剤師不在時には要指導医薬品を販売することができない。

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