平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 326

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問 326  正答率 :

 国家試験問題

国家試験問題
輸液の調製依頼があった。生理食塩液、塩化カルシウム注射液(0.5 mol/L)、塩化カリウム液(1.0 mol/L)、50 w/v%ブドウ糖注射液及び注射用水を使って調製するとき、必要量として適切な組み合わせはどれか。1つ選べ。塩化ナトリウム及びブドウ糖の式量は、それぞれ、58.5及び180とする。

以下の電解質を含む輸液を調製する。
Na  77 mEq
Ca2+   3 mEq
K   20 mEq
Cl  100 mEq

浸透圧を300 mOsm/Lに調整し、総量を1 Lとする。
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問 326    

 e-REC解説

解答 解なし

まず、Na、Ca2+、Kについて、それぞれ必要な電解質量(mEq)を得るのに相当するNaCl、CaCl2、KClの物質量(mol)を求める。求めた物質量を用いて、調製に必要な生理食塩液、塩化カルシウム注射液(0.5 mol/L)、塩化カリウム液(1.0 mol/L)の調整量を求める。なお、計算に用いられる電解質量は以下のように表される。
電解質濃度(mEq/L)=モル濃度(mmol/L)×価数
電解質量(mEq)=モル数(mmol)×価数

【生理食塩液】
77 mEqのNaを得るために必要なNaClの物質量は以下のとおりである。
スクリーンショット 2017-12-12 16.52.00.png
生理食塩液の濃度は0.9 w/v%であるため、77 mmolのNaCl(58.5 g/mol)を得るために必要な生理食塩液の量A(mL)は以下のように計算される。
NaCl量(g)=(77×10-3)mol×58.5g/mol=4.5045 g
0.9 g:100 mL=4.5045 g:A mL
A≒500 mL

【塩化カルシウム注射液】
3 mEqのCa2+を得るために必要なCaCl2の物質量は以下のとおりである。
スクリーンショット 2017-12-12 19.20.49.png
1.5 mmolのCaCl2を得るために必要な塩化カルシウム注射液(0.5 mol/L)の量B(mL)は以下のように計算される。
0.5 mol:1000 mL=(1.5×10-3)mol:B mL
B=3 mL

【塩化カリウム液】
20 mEqのKを得るために必要なKClの物質量は以下のとおりである。
スクリーンショット 2017-12-12 19.23.12.png
20 mmolのKClを得るために必要な塩化カリウム液(1.0 mol/L)の量C(mL)は以下のように計算される。
1.0 mol:1000 mL=(20×10-3)mol:C mL
C=20 mL

以上より、選択肢5が正答と推定されるが、50 w/v%ブドウ糖注射液50.9 mLで浸透圧を計算した場合、設問に与えられている300 mOsmとならない。そのため、設問に該当する選択肢がなく、102回国家試験において、本問題は採点対象から除外されている。
なお、選択肢5の場合の生理食塩液、塩化カルシウム注射液(0.5 mol/L)、塩化カリウム液(1.0 mol/L)、50 w/v%ブドウ糖注射液の量に注射用水を加えて総量を1Lとしたときの浸透圧は、以下(①〜④)のように計算される。
浸透圧は溶液中の分子及びイオンの総モル数で表し、通常1Lの溶液中で考える。
①生理食塩液に含まれる塩化ナトリウムの浸透圧は以下のとおりである。
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②塩化カルシウム注射液(0.5 mol/L)の浸透圧は以下のとおりである。
スクリーンショット 2017-12-12 19.28.34.png
③塩化カリウム液(1.0 mol/L)の浸透圧は以下のとおりである。
スクリーンショット 2017-12-12 19.29.43.png
④50 w/v%ブドウ糖注射液の浸透圧は以下のとおりである。
50 g/100 mL×50.9 mL=25.45 g
25.45 g÷180 g/mol=0.141 mol=141 mmol
スクリーンショット 2017-12-12 19.31.16.png
以上より、求めた浸透圧の合計が本輸液の浸透圧となる。
154+4.5+40+141=339.5 mOsm/L

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