令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
必須問題 - 問 33

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問 33  正答率 : 86.4%

 国家試験問題

国家試験問題
Rhoキナーゼを阻害して血管平滑筋を弛緩させるのはどれか。1つ選べ。

1 ニコランジル


2 タダラフィル


3 ファスジル


4 ロメリジン


5 リオシグアト

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問 33    

 e-REC解説

解答 3

1 誤
ニコランジルは、硝酸薬であり、NO遊離によるグアニル酸シクラーゼ活性化(GC)作用により、細胞内cGMP量を増加させ、血管を拡張する。また、ATP感受性Kチャネルの開口作用により細胞膜を過分極させる作用も併せもち、冠動脈を拡張させる。

2 誤
タダラフィルは、ホスホジエステラーゼⅤ阻害薬であり、細胞内のcGMPの分解を抑制することによってcGMP濃度を上昇させ、血管を拡張する。

3 正
ファスジルは、脳血管れん縮に関与するとされるRhoキナーゼを阻害することで、ミオシン軽鎖のリン酸化を阻害し、血管平滑筋を弛緩することにより、クモ膜下出血後の脳血管れん縮及びこれに伴う脳虚血症状を改善する。なお、Rhoキナーゼは、ミオシンの脱リン酸化に関わるミオシンホスファターゼを阻害する酵素である。

4 誤
ロメリジンは、脳血管に対して選択的なCa2+拮抗薬であり、血管平滑筋細胞へのCa2+流入を抑制することで脳血管収縮を抑制するため、片頭痛の予防に用いられる。

5 誤
リオシグアトは、NO非依存的にGCを直接刺激する作用と、NOに対するGCの感受性を高める作用により、細胞内cGMP量を増加させ、血管を拡張する。

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