平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 339

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問 339  正答率 : 67.0%

 国家試験問題

国家試験問題
37歳男性。身長170 cm 体重62 kg。食道狭窄及び消化管出血のため絶食となり、高カロリー輸液の投与が開始された。他に投与されている薬剤はない。

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25%ブドウ糖含有の基本輸液、10%アミノ酸含有総合アミノ酸製剤1バッグ当たりのカリウム及びナトリウム量は以下のとおりである。

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この処方を監査した薬剤師が、医師に照会すべき内容として適切なのはどれか。1つ選べ。

1 投与水分量の不足


2 味覚障害の発症


3 投与ナトリウム量の不足


4 偽アルドステロン症の発症


5 乳酸アシドーシスの発症

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問 339    

 e-REC解説

解答 3

1 誤
成人の水分維持量は、1日あたり約2000 mLである。本処方は、ブドウ糖含有の基本輸液(700 mL)を2バッグ、アミノ酸含有総合アミノ酸製剤(300 mL)を2バッグ、脂肪乳剤(100 mL)を1バッグの約2100 mLが投与されることになるため、投与水分量の不足とは言えない。

2 誤
味覚障害は亜鉛の不足により生じる。本処方は、高カロリー輸液用微量元素製剤を含むため、亜鉛不足による味覚障害は発症しにくいと考えられる。

3 正
高カロリー輸液療法(TPN)施行時のナトリウム投与量の目安は1〜2 mEq/kg/日であり、本患者(体重62 kg)の場合、62〜124 mEq/日である。本処方によって患者に投与されるナトリウム量は、総合アミノ酸製剤2バッグ由来の約1.2 mEq/日であり、投与ナトリウム量が不足しているため、医師に照会すべきである。

4 誤
偽アルドステロン症の主な原因は、甘草のグリチルリチンである。本処方は、甘草を含む漢方製剤を含まないため、偽アルドステロン症は発症しにくいと考えられる。

5 誤
乳酸アシドーシスはTPN施行時にビタミンB1が不足することにより生じる。本処方は、高カロリー輸液用総合ビタミン剤を含むため、ビタミンB1不足による乳酸アシドーシスは発症しにくいと考えられる。

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