令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 341

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問 341  正答率 : 80.1%

 国家試験問題

国家試験問題
73歳男性。身長168 cm、体重51 kg。食欲不振、不眠、軟便の訴えがあった。本日患者宅を訪問し、フィジカルアセスメントを実施した。四肢は温かく、明らかな口腔内の乾燥や脱水の症状はなかった。呼吸回数は20回/分、血圧は120/75 mmHg、脈拍は110回/分であった。現在の処方及び血液検査結果は以下のとおりであった。医師への提案として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

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(血液検査結果)
BUN 17.2 mg/dL、血清クレアチニン値0.82 mg/dL、AST 24 IU/L、ALT 15 IU/L、総ビリルビン1.07 mg/dL、血清アルブミン3.1 g/dL、コリンエステラーゼ(ChE)240 U/L

1 シムビコートタービュヘイラーを1回1吸入から2吸入に変更


2 5%ブドウ糖注射液の投与


3 テオフィリンの休薬と血中濃度測定


4 生理食塩液の投与


5 プロプラノロール塩酸塩10 mgの投与

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問 341    

 e-REC解説

解答 3

本患者は、食欲不振、不眠、軟便を訴えており、かつ検査所見の脈拍110回/分から頻脈を呈しており、テオフィリンの血中濃度上昇に伴う副作用が原因であると考えられる。テオフィリンの副作用には、悪心・嘔吐、食欲不振などの消化器症状のほかに、頭痛、不眠などの精神神経症状や、動悸、頻脈などの循環器症状がある。テオフィリンの副作用である頻脈などが起こった場合には、減量や投与を中止し、血中濃度測定などの適切な処置を行うこととされている。
なお、シムビコートタービュヘイラーは、アドレナリンβ2受容体刺激薬であるホルモテロールフマル酸塩を含んでおり、副作用に頻脈を呈する可能性があるため、増量を提案すると頻脈がより悪化する可能性がある。
また、処方より本患者は気管支喘息であると推測できるため、非選択的アドレナリンβ受容体遮断薬であるプロプラノロールの投与は禁忌である。

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