令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
必須問題 - 問 87

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問 87  正答率 : 76.9%

 国家試験問題

国家試験問題
ペニシラミンを解毒薬として使う中毒の原因物質はどれか。1つ選べ。

1 アセトアミノフェン


2 鉛


3 テトロドトキシン


4 サリン


5 メタノール

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問 87    

 e-REC解説

解答 2

1 誤
アセトアミノフェンの解毒には、N-アセチルシステインが用いられる。アセトアミノフェンはCYP2E1により代謝を受けるとN-アセチル-p-ベンゾキノンイミン(NAPQI)となり肝細胞毒性を引き起こす。N-アセチルシステインはグルタチオンの前駆体であり、NAPQIに対してグルタチオン抱合を促進することで解毒作用を示す。

2 正
鉛や銅などの重金属の解毒には、ペニシラミンが用いられる。ペニシラミンは、重金属とキレートを形成し排泄を促進することで解毒作用を示す。

3 誤
テトロドトキシンに有効な解毒薬はない。

4 誤
サリンなどの有機リン系化合物の解毒には、アトロピンや2-PAMが用いられる。有機リン系化合物はコリンエステラーゼをリン酸化し不可逆的に阻害することで、アセチルコリンを増加させ、副交感神経興奮を引き起こす。2-PAMはコリンエステラーゼのリン酸化の解除、アトロピンはアセチルコリン性ムスカリン受容体遮断により解毒作用を示す。

5 誤
メタノールの解毒には、エタノールやホメピゾール、葉酸が用いられる。メタノールは、アルコール脱水素酵素(ADH)、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)による代謝を受け、ギ酸となり視力障害を引き起こす。エタノールはメタノールと競合的にADH、ALDH阻害、ホメピゾールはADH阻害、葉酸はギ酸の代謝促進により解毒作用を示す。

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