平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 93

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問 93  正答率 : 57.1%

 国家試験問題

国家試験問題
下のグラフは、可逆(平衡)反応(Ⅰ)、平行(並発)反応(Ⅱ)、連続(逐次)反応(Ⅲ)における反応物、中間体及び生成物の濃度と時間の関係を表している。素反応がいずれも反応速度定数k1k6の一次反応であるとき、反応Ⅰ〜Ⅲに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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問 93    

 e-REC解説

解答 2、3

1 誤
平衡定数Kは可逆(平衡)反応における平衡状態(時間が経過してもそれぞれの濃度が変化しない状態)を示し、①式で表される。
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また、Ⅰ(下図)のグラフより、平衡状態において、[A]eq<[B]eqであることが読み取れる。よって、①式より平衡定数Kの値は1より大きいことがわかる。
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2 正
平行(併発)反応は、二つ以上の反応が平行して同時に起こるものである。反応Ⅱのグラフで考えた場合、Cが消失する速度はDの生成速度(k3・[C])とEの生成速度(k4・[C])の和に等しくなり、以下の式で表される。
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よって、Cの反応速度定数kk3k4となる。素反応がいずれも一次反応であるため、Cの半減期は一次反応の半減期の式より以下のように表される。
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3 正
反応Ⅱの平行(併発)反応ではCから同時にD、Eが生成するため、DとEの生成比は、時間によらず、それぞれの反応速度定数の比で表すことができる。
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4 誤
反応Ⅲの連続(逐次)反応において、Fの分解と同時に生成したGは連続的にHへ分解するため、Gの濃度は極大値([G]max)を有するグラフとなる。本問のようにk5が一定で、k6が大きくなった場合、GからHへの分解が速くなるため、Gの濃度は以下のように変化する。
スクリーンショット 2018-08-10 20.22.31.png

よって、反応Ⅲのk5が一定のとき、k6が大きくなるほど、Gの最大濃度に達する時間は速くなる。

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