平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 94

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問 94  正答率 : 47.9%

 国家試験問題

国家試験問題
図はタンパク質中のペプチド結合を表したものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2018-08-15 11.42.15.png


1 ペプチド結合を構成するC=OとN−H、これらに隣接する2つのα炭素は同一平面上にある。


2 αヘリックス構造では、n番目のペプチド結合を構成するC=Oが、(n+3)番目のペプチド結合を構成するN−Hと水素結合を形成している。


3 αヘリックスやβシートなどの二次構造は、円偏光二色性測定法により観測できる。


4 βシート構造の形成には、C=OとN−Hの間の水素結合は寄与しない。


5 同一のα炭素に結合するCα−N結合とCα−C結合の回転の角度(φψ)は、それぞれ任意の角度をとることができる。

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問 94    

 e-REC解説

解答 1、3

1 正
タンパク(ポリペプチド)の主鎖は、共鳴によりC−N結合が二重結合性を帯びることにより回転しにくくなっている。よって、ペプチド結合を構成するC=OとN−H、これらに隣接する2つのα炭素は同一平面上にある。
スクリーンショット 2018-08-15 11.42.41.png

2 誤
αヘリックス構造は、右巻きのらせん構造をとり、n番目のペプチド結合を構成するC=Oが約4残基離れた((n+4)番目の)ペプチド結合を構成するN−Hと水素結合を形成している。

3 正
円偏光二色性は光学活性中心近くにπ電子など紫外線により励起される電子をもつ化合物の紫外線領域での旋光度を測定すると、左右円偏光の吸光度に差が生じ偏光面が楕円になる現象である。この原理を利用した円偏光二色性測定法は、αヘリックスやβシートなどのタンパク質の二次構造の推定に用いられる。

4 誤
βシート構造は、複数のポリペプチドが同じ面に並んだ際に、隣の並びとの間に繰り返し水素結合を形成する。
スクリーンショット 2018-08-15 11.44.16.png


5 誤
Cα−N結合とCα−C結合の回転の角度(φψ)は、側鎖の立体障害により、自由に回転することができないため、それぞれ任意の角度をとることができない。
スクリーンショット 2018-08-15 11.45.59.png

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