令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 95

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問 95  正答率 : 62.3%

 国家試験問題

国家試験問題
ある分子X(初濃度100 mmol/L)が分解して2分子のY(初濃度0 mmol/L)が生成する反応
スクリーンショット 2020-06-10 14.24.50.png
において、下のグラフはXの濃度の時間変化を表す。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2020-06-10 14.24.55.png

1 横軸の時間10分でのYの濃度は、同じ時間のXの濃度の2倍である。


2 この分解反応は、一次反応である。


3 この分解反応の速度定数の符号は負である。


4 同じ時間でのXとYの濃度変化曲線の接線の傾きの絶対値は等しい。


5 Xの濃度が初濃度の1/2になるまでにかかる時間は、Yの濃度が100 mmol/Lから150 mmol/Lになるまでにかかる時間と等しい。

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問 95    

 e-REC解説

解答 2、5

グラフより、Xの初濃度が100 mmol/Lであり、濃度が半分の50 mmol/Lになるまでの時間15分が半減期であることがわかる。さらに半減期である15分が経過した30分後には濃度が25 mmol/L(初濃度の1/4)になっていることから、Xの分解は一次反応で進行することがわかる。
反応式X→2Yより、Xが分解すると、分解量の2倍量のYが生成するため、X、Yの濃度の時間変化は以下のグラフ(X(実線)、Y(点線))で表される。
スクリーンショット 2020-06-10 14.26.51.png

1 誤
前記のグラフより、Yの濃度がXの濃度の2倍になる時間は横軸の時間15分である。計算で求める場合は、以下のように計算する。ただし、[X]0はXの初濃度とする。
スクリーンショット 2020-06-10 14.28.54.png
また、Yの濃度がXの濃度の2倍になる時間のとき、[Y]=2[X]となるため、①式に代入すると
スクリーンショット 2020-06-10 14.29.56.png
[X]=50 mmol/Lのとき、Yの濃度は、Xの2倍の濃度になるため、グラフより、横軸の時間15分であることがわかる。

2 正
前記参照

3 誤
分解反応の速度定数を分解速度定数kといい、符号は正の値をとる。

4 誤
X→2Yの反応では、Xが分解すると、分解量の2倍量のYが生成するため、濃度変化の絶対値は異なる。そのため、同じ時間でのXとYの濃度変化曲線の接線の傾きの絶対値は異なる。なお、同じ時間でのXとYの濃度変化曲線の接線の傾きは以下の図のようになり、濃度変化の大きいYの方が接線の傾きの絶対値が大きくなる。
スクリーンショット 2020-06-10 14.31.59.png

5 正
前記のグラフより、Xの濃度が初濃度の1/2になるまでにかかる時間とYの濃度が100 mmol/Lから150 mmol/Lになるまでにかかる時間はともに15分で等しい。

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