平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 95

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問 95  正答率 : 50.3%

 国家試験問題

国家試験問題
日本薬局方フェニレフリン塩酸塩の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2017-05-01 12.57.33.png

本品を乾燥し、その約0.1gを精密に量り、ヨウ素瓶に入れ、水40 mLに溶かし、0.05 mo1/L臭素液50 mL を正確に加える。更に塩酸5 mLを加えて直ちに密栓し、 振り混ぜた後、15分間放置する。次にヨウ化カリウム 試液10 mLを注意して加え、直ちに密栓してよく振り混ぜた後、5分間放置し、遊離したヨウ素を0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液1 mL)。同様の方法で空試験を行う。

1 本品1モルに対して、3モルの臭素が反応する。


2 臭素1モルに対して、3モルのヨウ化カリウムが反応する。


3 ヨウ素1モルに対して、1モルのチオ硫酸ナトリウムが反応する。


4 チオ硫酸ナトリウム液による滴定は、中和滴定である。


5 チオ硫酸ナトリウム液の滴定量は、空試験の方が多くなる。

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問 95    

 e-REC解説

解答 1、5

本問は、酸化還元滴定による日本薬局方フェニレフリン塩酸塩の定量法である。

1 正
フェニレフリン塩酸塩に臭素液を加えると、3モルの臭素がフェニレフリンのフェノール性水酸基のオルト位とパラ位に反応する。
スクリーンショット 2017-05-01 12.57.40.png

2 誤
臭素1モルに対して、2モルのヨウ化カリウムが反応する。
Br2+2KI → I2+2KBr
ヨウ化カリウムを添加することで、反応しなかった臭素からヨウ素を遊離し、これをチオ硫酸ナトリウムで滴定する。

3 誤
ヨウ素1モルに対して、2モルのチオ硫酸ナトリウムが反応する。
I2+2Na2S2O3 → 2NaI+Na2S4O6

4 誤
チオ硫酸ナトリウム液による滴定は、酸化還元滴定である。

5 正
本定量は逆滴定であり、空試験ではフェニレフリン塩酸塩が含まれていないため、未反応の臭素が多くなり、ヨウ化カリウムを添加すると、本試験より多くのヨウ素が遊離される。よって、本試験より空試験の方がチオ硫酸ナトリウム液の滴定量が多くなる。

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