平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 99

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問 99  正答率 : 75.4%

 国家試験問題

国家試験問題
希薄溶液の束一的性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 蒸気圧降下は、束一的性質の1つである。


2 電解質溶液は、束一的性質を示さない。


3 浸透圧に関するファントホッフの式は、浸透圧と溶液の粘度の関係を示す。


4 0.05 mol/Lブドウ糖水溶液の沸点上昇度と凝固点降下度は等しい。


5 同じモル濃度であれば、ブドウ糖とショ糖の水溶液の浸透圧は等しい。

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問 99    

 e-REC解説

解答 1、5

1 正
蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧上昇は、束一的性質を示す。束一的性質とは、希薄溶液において溶質の種類には無関係に溶質の分子やイオンのモル濃度にのみ依存する性質である。

2 誤
電解質溶液は、束一的性質を示す。

3 誤
浸透圧πは以下のファントホッフの式で表される。ただし、束一的性質に影響を及ぼす溶質の分子・イオンの総モル濃度をm、気体定数をR 、絶対温度をT とする。

π=m・R・T 

ファントホッフの式は、浸透圧と溶液の粘度の関係を示す式ではなく、浸透圧と溶液の濃度の関係を示している。

4 誤
沸点上昇度Δbと凝固点降下度ΔTは以下の式で表される。ただし、束一的性質に影響を及ぼす溶質の分子・イオンの総モル濃度をm、モル沸点上昇定数(沸点上昇定数)をKb、モル凝固点降下定数(凝固点降下定数)をKfとする。
沸点上昇度:Δb=m×Kb  Kb:モル沸点上昇定数(溶媒が水なら0.51℃・kg /mol)
凝固点降下度:ΔT=m×Kf Kf:モル凝固点降下定数(溶媒が水なら1.86℃・kg /mol)
0.05 mol/Lブドウ糖水溶液の場合、KbKfは同じ溶媒でも値が異なるため、沸点上昇度と凝固点降下度は等しくない。

5 正
非電解質であるブドウ糖とショ糖の水溶液は同じモル濃度であれば、束一的性質に影響を及ぼす溶質の分子・イオンの総モル濃度mが同じになるため、ブドウ糖とショ糖の水溶液の浸透圧πは等しくなる(解説3参照)。

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