平成25年度 第98回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 151

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問 151  正答率 : 64.4%

 国家試験問題

国家試験問題
グラフは、摘出平滑筋の収縮に対する薬物Aと薬物Bの濃度-反応曲線を示している。この実験結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、これらの薬物は同一の受容体結合部位にのみ作用し、また、受容体への結合は可逆的で速やかに起こるものとする。
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1 薬物Aは部分刺激薬(partial agonist)である。
2 薬物AのpD2値は約6である。
3 薬物Bは完全刺激薬(full agonist)であり、その内活性(intrinsic activity)は100である。
4 10−5 Mの薬物Bによる収縮は、10−6Mの薬物Aにより抑制されると推定できる。

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問 151    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
グラフより、薬物Aの薬物濃度を上昇させても、摘出平滑筋の最大反応に対して50%の収縮しか得られていないため、薬物Aは部分刺激薬(partial agonist)であることが分かる。

2 誤
pD2値は、その薬物の最大反応(薬物Aの場合はグラフの50%の反応)の50%の反応を示す薬物濃度(EC50)の負の対数である。
よって、薬物AのおよそのpD2値はグラフより、pD2 = -log(EC50) = -log10-7 = 7 となる。

3 誤
内活性は、受容体に結合したことによって反応を生じさせる効率のことをいい、完全作動薬の内活性は1、部分作動薬ではそれ以下となる。グラフより、薬物Bの薬物濃度を上昇させると、摘出平滑筋に対して最大反応を示している。これより薬物Bは完全刺激薬(full agonist)であることが分かり、完全刺激薬の内活性は1である。

4 正
グラフより、薬物Aの内活性は約0.5と推定され部分刺激薬であることが分かる。また問題文より、薬物Aと薬物Bは、同一の受容体結合部位にのみ作用する。
10-6Mの薬物Aも10-5Mの薬物Bもそれぞれの最大反応を示す用量であり、受容体に最大限結合する濃度である。そのため、併用すると同一の受容体において競合的阻害現象が起こり、薬物Aにより薬物Bの収縮は抑制されると推定できる。

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