平成25年度 第98回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 248,249

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問 248  正答率 : 84.9%
問 249  正答率 : 75.9%

 国家試験問題

国家試験問題
70歳男性。泌尿器科外来にて、以下の薬剤が処方された。
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問248(薬理)
この処方で期待されるタムスロシンの薬理作用として、正しいのはどれか。1つ選べ。

1 アセチルコリンM3受容体を遮断し、膀胱平滑筋を弛緩させる。
2 アドレナリンβ2受容体を刺激し、膀胱平滑筋を弛緩させる。
3 コリンエステラーゼを阻害し、膀胱平滑筋を収縮させる。
4 アドレナリンα1受容体を遮断し、前立腺平滑筋や尿道括約筋を弛緩させる。
5 テストステロンの産生を抑制し、前立腺を縮小させる。


問249(実務)
この処方薬について薬剤師が患者に説明すべき基本的注意のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。

1 めまい等が現れることがあるので、高所作業、自動車運転等危険を伴う作業に従事する場合は注意してください。
2 起床時に血圧が上昇することがあるので、注意してください。
3 唾液又は水で服用してください。
4 かみ砕かずに服用してください。
5 寝たままの状態では、水なしで服用しないでください。

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問 248    
問 249    

 e-REC解説

問248 解答 4

1 誤
抗コリン薬であるプロピベリンやソリフェナシンなどの薬理作用である。抗コリン薬は、ムスカリンM3受容体を遮断することで、アセチルコリンによる膀胱平滑筋収縮を抑制するため、頻尿及び尿失禁などに用いられる。

2 誤
選択的アドレナリンβ2受容体刺激薬であるクレンブテロールの薬理作用である。 クレンブテロールは、膀胱平滑筋のβ2受容体を刺激し、膀胱平滑筋を弛緩させるため、腹圧性尿失禁などに用いられる。

3 誤
可逆的コリンエステラーゼ阻害薬であるネオスチグミンなどの薬理作用である。コリンエステラーゼ阻害薬は、アセチルコリンの分解を抑制し、アセチルコリンによる膀胱平滑筋収縮作用を増強するため、手術後の排尿困難などに用いられる。

4 正
タムスロシンは、選択的α1A受容体遮断薬であり、ノルアドレナリンによる前立腺平滑筋や尿道括約筋収縮を抑制するため、前立腺肥大症に伴う排尿障害の改善に用いられる。

5 誤
黄体ホルモン製剤であるクロルマジノンなどの薬理作用である。クロルマジノンは、テストステロン産生抑制作用及びテストステロン受容体遮断作用をもち、肥大した前立腺を縮小させるため、前立腺肥大症などに用いられる。


問249 解答 2

1 適切
ハルナールOD錠のα1受容体遮断作用により、血圧降下によるめまいや起立性低血圧が現れることがあるため、高所作業や自動車運転等危険を伴う作業に従事する場合は注意するよう患者に説明する。

2 不適切
解説1参照

3 適切
ハルナールOD錠は、口腔内崩壊錠であり口腔内で速やかに崩壊する。口腔内崩壊錠を投与する際は、唾液又は水で飲み込むよう患者に説明する。

4 適切
ハルナールOD錠は、タムスロシン塩酸塩の徐放性粒を含有しているため、かみ砕くと徐放性が失われる可能性がある。そのため、かみ砕かずに服用するよう患者に説明する。

5 適切
ハルナールOD錠は、飲み込む必要があるため、寝たままの状態では水なしで服用しないよう患者に説明する。

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