令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 93

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問 93  正答率 : 74.0%

 国家試験問題

国家試験問題
フルオレセインナトリウムは、蛍光眼底造影剤として用いられている。図にフルオレセインナトリウム水溶液の励起スペクトル及び蛍光スペクトルを示す。このスペクトルを測定する際の蛍光光度法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2020-06-10 12.17.45.png


1 図中の破線が蛍光スペクトル、実線が励起スペクトルである。
2 横軸の波長の単位はµmである。
3 フルオレセインナトリウムの蛍光強度は、希薄溶液であれば濃度に比例する。
4 一般に光源として、キセノンランプを用いる。
5 温度が変化してもフルオレセインナトリウムの蛍光強度には変化がない。

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問 93    

 e-REC解説

解答 3、4

蛍光光度法は、蛍光物質に特定波長の励起光を照射するとき、蛍光物質が励起状態から基底状態に遷移する際に放射される蛍光の強度を測定する方法である。
蛍光スペクトルは、照射する励起光の波長を固定し、放射された蛍光の波長を変化させて蛍光強度を測定するものである。励起スペクトルは、放射された蛍光の波長を固定し、照射する励起光の波長を変化させて蛍光強度を測定するものである。これらのスペクトルの極大波長(蛍光極大波長、励起極大波長)は物質に固有であるため、定性分析に利用できる。また、一般に蛍光極大波長は、励起極大波長より長波長側にある(ストークスの法則)。

スクリーンショット 2020-06-10 12.19.00.png


1 誤
前記参照

2 誤
蛍光光度法で用いる電磁波は、紫外線、可視光線であり、用いる波長は約200〜800 nmである。

3 正
蛍光強度(F)は、希薄溶液において蛍光物質の濃度及び層長に比例する。また励起光の強さ及び蛍光又はりん光量子収率、モル吸光係数に比例する。

FkI0φεcl 
k:蛍光定数、I 0:励起光の強さ 、φ:量子収率(発光した蛍光又はリン光量子数/吸収した励起光量子数)、ε:モル吸光係数、c:濃度 l:層長)

4 正
蛍光光度法の光源には、アルカリハライドランプ、キセノンランプ、レーザーが用いられる。

5 誤
蛍光強度は温度により変化する。例えば、温度が高い場合、分子の動きが激しくなり、分子衝突によるエネルギー消失が大きくなるため、蛍光強度は低下する(温度消光)。

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