令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 117

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問 117  正答率 : 58.4%

 国家試験問題

国家試験問題
免疫担当細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 B細胞は骨髄で発生・分化し、抗体の遺伝子再編成を経た後、二次リンパ器官に移動して、成熟B細胞となる。
2 樹状細胞は、マクロファージと異なり、MHCクラスⅡによる抗原提示をしない。
3 キラーT細胞は、MHCクラスⅡにより提示された抗原をT細胞受容体により認識し、細胞傷害活性を示す。
4 ナチュラルキラー細胞は自然免疫系で働くリンパ球で、細胞傷害活性を示すだけでなく、インターフェロンγ(IFN−γ)を産生する。
5 CD8分子を表面に有する成熟T細胞は、産生する特徴的なサイトカインの特性により、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞に分類される。

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問 117    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
骨髄にて造血幹細胞からB細胞の前駆細胞が生成する。B細胞の前駆細胞は、抗原非依存的な遺伝子再構成され、B細胞受容体として細胞表面にIgM受容体を発現した未熟B細胞となる。その後、脾臓などの二次リンパ器官に移動し、成熟B細胞となる。

2 誤
樹状細胞は、マクロファージや成熟B細胞と同様にMHCクラスⅡによりヘルパーT細胞に対して抗原提示を行う。なお、MHCクラスⅠ分子は、ほとんどすべての有核細胞に発現しており、細胞質に存在するペプチド抗原をキラーT細胞に提示する。

3 誤
キラーT細胞は、MHCクラスⅠ分子により提示された抗原をT細胞受容体(TCR)で認識すると、細胞傷害活性を示す。なお、MHCクラスⅡにより提示された抗原をTCRで認識するのは、ヘルパーT細胞である。

4 正
自然免疫を司る細胞の一つであるナチュラルキラー細胞は、抗原感作を必要とせずウイルス感染細胞などに対して細胞傷害活性を示す。また、外部から抗原が侵入すると、ナチュラルキラー細胞はインターフェロンγを産生し、マクロファージやヘルパーT細胞などのその他の免疫担当細胞を活性化することで初期免疫応答において重要な働きを担っている。

5 誤
Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞に分類されるのは、細胞表面にCD4分子を有するTh細胞(ヘルパーT細胞)である。なお、CD8はキラーT細胞などの細胞表面に存在する。

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