令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 128

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問 128  正答率 : 43.2%

 国家試験問題

国家試験問題
図は、体重70 kgの男性がグルコース100 gを摂取後に絶食した場合の血中グルコース濃度に基づいた理論的なグルコース消費量の経時変化を示している。図の縦軸はグルコース消費量を、横軸はグルコース摂取後の時間経過をステージⅠ〜Ⅳに分けて示している。  A   及び   B   は血中グルコースの供給源を示す。この図に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

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1   A   は、グリコーゲンである
2   B   は、糖新生であり、ステージⅡ、Ⅲでは筋肉においてタンパク質が分解されて生じたアラニンが肝臓に運ばれて起こる。
3 ステージⅢ、Ⅳでは、脂肪組織中のトリアシルグリセロールが血中に放出され、血中トリアシルグリセロール濃度が上昇する。
4 ステージⅣでは、脳でケトン体がエネルギーとして利用される。
5 ステージⅣでは、肝臓だけでなく腎臓においても糖新生が亢進する。

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問 128    

 e-REC解説

解答 3

グルコース摂取後に絶食すると、はじめに食事由来のグルコースが各組織で消費される(ステージⅠ)。次に、肝臓に貯蔵されているグリコーゲンの分解によって放出されたグルコースが消費される(ステージⅡ)。グルコースは肝臓やその他の組織において消費されるが、グリコーゲン由来のグルコースは、1~2日程度で欠乏する。次の段階として、脂肪組織におけるホルモン感受性リパーゼにより、トリアシルグリセロールからグリセロールと脂肪酸を生成する。また、糖新生により糖原性アミノ酸、乳酸及びグリセロールからグルコースを生成する(ステージⅢ、Ⅳ)。

1 正しい
前記参照

2 正しい
Bは糖新生である。筋肉でタンパク質が分解されると糖原性アミノ酸であるアラニンを生成する。筋肉ではアラニンからグルコースへ変換することができないため、アラニンの状態で筋肉から肝臓へ運ばれ、グルコースに変換することにより糖新生に利用される。

3 誤っている
ステージⅢ、Ⅳでは、脂肪組織中のトリアシルグリセロールがホルモン感受性リパーゼにより加水分解を受け、血中にグリセロールと遊離脂肪酸が放出される。そのため、血中遊離脂肪酸濃度が上昇する。

4 正しい
脳はグルコースが不足した場合、ケトン体からエネルギーを得ることがある。

5 正しい
ステージⅣでは、グリコーゲン由来のグルコースが欠乏するため、糖新生が進行する。一般に糖新生は肝臓で行われるが、飢餓時には腎臓での糖新生も亢進する

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