令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 174

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問 174  正答率 : 61.4%

 国家試験問題

国家試験問題
肝代謝のみで消失する薬物400 mgをヒトに単回静脈内投与した際、図に示す血中濃度推移が得られた。この薬物の体内動態は線形性を示し、経口投与時に門脈血中に移行する割合は100%である。この薬物を反復経口投与し、定常状態での平均血中薬物濃度を3.5 µg/mLとしたい。この薬物の肝クリアランス(L/h)及び1日あたりの投与量(mg)の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。なお、肝血流速度は80 L/h、ln 2=0.693とする。

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問 174    

 e-REC解説

解答 5

<肝クリアランスCLh(L/h)を求める>
問題文より、「肝代謝のみで消失する薬物」とあるため全身クリアランスCLtotCLhとなり①式で表すことができる。

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また、①式は②式に変換することができる。

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問題文より、「400 mgをヒトに単回静脈内投与」とあるため静脈内投与量Div=400 mgとなり、また、設問中の図より、C0=8 µg/mL、t1/2=3.5 hであることがわかる。
このことから、②式より肝クリアランスCLhを以下のように求めることができる。

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<1日あたりの投与量D(mg)を求める>
1日ごとの反復経口投与(投与間隔τ=24 h)における1日あたりの投与量Dpo(mg)は③式より求めることができる。

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また、バイオアベイラビリティFは④式で表すことができる。

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④式は⑤式に変換することができる。

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問題文において「経口投与時に門脈血中に移行する割合は100%である」、「肝代謝のみで消失」、「肝血流速度は80 L/h」とあるため、FaFg=1、Qh=80 L/hとなり⑤式に代入するとFを求めることができる。

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さらに、問題文において「定常状態での平均血中薬物濃度を3.5 µg/mL」とあるためCss=3.5 µg/mLとなり③式に代入すると1日あたりの投与量Dpo(mg)を求めることができる。

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