令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 179

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問 179  正答率 : 62.9%

 国家試験問題

国家試験問題
液状の物質AとBについて、せん断応力とせん断速度の関係を調べたところ、図の結果が得られた。これらの図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

スクリーンショット 2021-06-16 12.21.01.png

1 物質Aのみかけ粘度は、0.4 Pa・sである。
2 物質Aの降伏値は、40 Paである。
3 物質Bでは、せん断応力の増加とともにみかけ粘度が低下している。
4 物質Bの流動曲線は、高濃度のデンプン水懸濁液に見られる。
5 ニュートンの粘性法則に従う流動を示しているのは、物質Aである。

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問 179    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
設問中の物質Aの図より、降伏値以降の傾きはみかけの粘度ηの逆数(傾き=1/η)を示す。したがって、物質Aのみかけ粘度は、グラフの傾きより下記のように求めることができる。

スクリーンショット 2023-09-27 16.06.52.png

2 誤
降伏値とは物質を流動させるのに必要な最低限のせん断応力のことであり、物質Aの降伏値は流動曲線の直線部分を延長してせん断応力軸上に外挿したときの交点で示すことができる。したがって、物質Aの降伏値は、約30 Paである。

スクリーンショット 2023-09-27 16.08.36.png

3 誤
物質Bでは、せん断応力の増加とともにせん断速度が低下しており、みかけ粘度が上昇している。

4 正
物質Bの流動曲線は、ダイラタント流動であり高濃度のデンプン水懸濁液に見られる曲線である。

5 誤
ニュートンの粘性法則に従う流動曲線は、縦軸せん断速度、横軸せん断応力を用いて表されたグラフにおいて、原点を通る直線で表すことができニュートン流動と呼ばれる。物質Aは、降伏値を持つ塑性流動であり、降伏値を超えるせん断応力を加えた場合にニュートンの粘性法則に従う非ニュートン流動である。

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