薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 必須問題 - 問 4

0.10 mol/L硫酸ナトリウム水溶液中における硫酸バリウムの溶解度に最も近いのはどれか。１つ選べ。ただし、温度は25℃とし、同温度における硫酸バリウムの溶解度積を1.0×10－10 (mol/L)2とし、硫酸バリウムの溶解による溶液の体積変化は無視できるものとする。

１　1.0×10－19 mol/L
２　1.0×10－11 mol/L
３　1.0×10－9 mol/L
４　1.0×10－5 mol/L
５　1.0×10－4 mol/L

REC講師による詳細解説！ 解説を表示

解答　３

難溶性塩である硫酸バリウム（BaSO4）は、共通イオンである硫酸イオン（SO42－）が存在する溶液中において溶解度が低下する（共通イオン効果）。
本設問では、共通イオン効果によって低下した硫酸バリウムの溶解度を求める。
硫酸ナトリウム（Na2SO4）は水中でイオンに解離して存在しているため、0.10 mol/L硫酸ナトリウム水溶液中の硫酸イオンのモル濃度は0.10 mol/Lと考えられる。



0.10 mol/L硫酸ナトリウム水溶液中における硫酸バリウムの溶解度をS mol/Lとすると、硫酸バリウムは、以下のように一部が解離して溶解する。



また、硫酸バリウム（BaSO4）の溶解度積（Ksp）はバリウムイオンと硫酸イオンのモル濃度（[Ba2＋]と[SO42－]）を用いて（1）のように表せる。



よって、[Ba2＋]＝S mol/L、[SO42－]＝0.10＋S mol/Lを（1）式に代入して計算すると良いが、硫酸バリウムの溶解度S mol/Lは0.10 mol/Lと比較してかなり小さい（0.10 ＞＞ S）ため、[SO42－]≒0.10 mol/Lと近似ができる。
したがって、[Ba2＋]＝S mol/L、[SO42－]≒0.10 mol/Lを（1）式に代入して、



これを解いて、S ＝ 1.0×10－9 (mol/L)

解説動画１ ( 14:06 )  

※ この解説動画は 60 秒まで再生可能です 

他の解説動画を見る