薬剤師国家試験 令和07年度 第110回 - 一般 実践問題 - 問 330
52歳女性。非小細胞肺がん。以下の処方箋を持ってかかりつけ薬局を訪れた。

薬歴の内容から以下の薬剤が3週毎に処方されていた。

患者の今回の処方と薬歴情報から、薬物治療に対する評価と指導計画について適切なのはどれか。2つ選べ。
1 今回の処方薬は、化学療法施行後に開始された薬剤である。
2 血小板減少による発熱が出現していた可能性がある。
3 下痢症状が出現しても自然に治まることを伝える。
4 発疹、皮膚の乾燥やかゆみが出現する可能性があることを伝える。
5 服用忘れに気づいた日は、翌日の決められた時間に2回分を服用することを伝える。
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解答 1、4
1 正
薬歴に記載の用法からジフェンヒドラミンは抗がん剤の過敏症予防、レボフロキサシンとロキソプロフェンは抗がん剤による発熱性好中球減少症の対処目的で投与されていたと考えられるため、本患者は過去に細胞障害性抗がん剤を用いた治療(化学療法)を行っていたことがわかる。したがって、今回の処方薬は化学療法施行後に開始された薬剤である。
2 誤
薬歴に記載の薬剤とその用法から、血小板ではなく好中球減少による発熱が出現していた可能性がある(解説1参照)。
3 誤
アファチニブマレイン酸塩錠による下痢症状は自然に治まるわけではないため、下痢症状が悪化する場合は受診するよう伝える。
4 正
アファチニブマレイン酸塩錠などのEGFRチロシンキナーゼ阻害薬は主な副作用に皮膚障害があるため、発疹、皮膚の乾燥やかゆみが出現する可能性があることを伝えることは適切である。
5 誤
服用忘れに気づいた日は、翌日の決められた時間に2回分ではなく1回分を服用することを伝える。
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