薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 実践問題 - 問 236,237
22歳女性。数日前より下腹部に違和感があり、外陰部のかゆみに加え、おりものに異常がみられた。テレビで膣カンジダ症に使用する薬が発売されたことを知って来局し、薬剤師に相談した。
問236(実務)
薬局薬剤師が、膣カンジダ症に使用する薬を販売するにあたり必ず確認しなければならないのはどれか。2つ選べ。
1 以前に医師から膣カンジダ症の診断・治療を受けたことがあるか。
2 喫煙したことがあるか。
3 高血圧症と診断されたことがあるか。
4 現在の体重はどのくらいか。
5 妊娠している可能性があるか。
問237(衛生)
膣カンジダ症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 カンジダ属菌は常在真菌であり、日和見感染を引き起こす。
2 性交経験がない女性にも発症することがある。
3 感染症法(注)では5類感染症に分類される。
4 女性から男性へのカンジダ属菌の感染はない。
(注)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
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問236 解答 1、5
膣カンジダ症に使用される一般用医薬品は、次の人に使用してはならない。
(1)初めて発症したと思われる人(以前に医師から膣カンジダ症の診断・治療を受けたことがない人)
(2)本剤の成分に対しアレルギー症状を起こしたことがある人
(3)15歳未満または60歳以上の人
(4)妊婦または妊娠していると思われる人
(5)発熱、悪寒、下腹部痛、背中や肩の痛み、色のついたまたは血に染まったおりもの、魚臭いおりもの、生理の停止、腟からの不規則または異常な出血、腟または外陰部における潰瘍、浮腫またはただれがある人。
(6)糖尿病の診断を受けた人
(7)ワルファリン等の抗凝血剤を服用している人
(8)本疾患を頻繁に繰り返している人(1〜2ヶ月に1回又は6ヶ月以内に2回以上)
(9)膣カンジダの再発がわからない人
上記より、薬局薬剤師が、膣カンジダ症に使用する薬を販売するにあたり必ず確認しなければならないのは、「以前に医師から膣カンジダ症の診断・治療を受けたことがあるか。」、「妊娠している可能性があるか。」である。
問237 解答 1、2
1 正
カンジダ属菌は、性器周辺やその他の体表に存在している常在菌であり、かぜや疲労などにより免疫力が低下すると日和見感染を引き起こす。
2 正
常在菌であるカンジダが原因で膣カンジダ症を発症することがあるため、性交感染がない女性にも膣カンジダ症を発症することがある。
3 誤
膣カンジダ症は、感染症法の1〜5類感染症には分類されていない。
4 誤
女性から男性へのカンジダ属菌が感染することがある。男性がカンジダ属菌に感染すると、亀頭や包皮に発赤、痒み、びらんなどを生じることがある。
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