薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 120
感染防御に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ケモカインは、好中球及びマクロファージを感染局所に誘引するが、好酸球には作用しない。
2 マクロファージの細胞膜に存在するToll様レセプター(TLR)は、細菌表面の特徴的な構造を認識する免疫グロブリンである。
3 好中球のNADPHオキシダーゼにより、スーパーオキシドアニオンが生成する。
4 細胞小器官の一つであるゴルジ体は、細菌を取り込んだ食胞(ファゴソーム)と融合し、食胞内の細菌の消化・分解を促す。
5 インターフェロン(IFN)−γは、マクロファージを活性化し、その殺菌作用を強化する。
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解答 3、5
1 誤
ケモカインとは、白血球遊走作用をもつサイトカインの総称であり、好中球やマクロファージに作用するだけでなく、好酸球やT細胞、NK細胞などに作用するものも存在する。
2 誤
マクロファージの細胞膜に存在するToll様レセプター(TLR)は、抗原を識別するパターン認識受容体の一種であり、免疫グロブリンではない。
なお、免疫グロブリンは、B細胞の表面に発現しており、B細胞が抗原を特異的に認識するための受容体として機能している。
3 正
好中球が抗原を貪食すると、NADPHオキシダーゼが発現し、酸素から活性酸素であるスーパーオキシドアニオンが生成される。好中球は、NADPHオキシダーゼにより生成したスーパーオキシドアニオンにより、取り込んだ抗原を殺菌・消化分解している。
4 誤
細菌を取り込んだ食胞(ファゴソーム)※1と融合し、食胞内の細菌の消化・分解を促す細胞小器官は、リソソームである。
ファゴソーム※1:好中球などの食細胞がエンドサイトーシス(ファゴサイトーシス)により抗原を取り込んだときに形成される食胞のこと
5 正
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