薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 121

エネルギー代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。２つ選べ。

１　非タンパク質呼吸商の値から、脂質と糖質の燃焼割合が推定できる。
２　基礎代謝量は、安静時エネルギー消費量とも呼ばれる。
３　糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼価を四捨五入して得られた整数値は、Atwater係数と呼ばれる。
４　基礎代謝基準値は、年齢や性別にかかわらず一定である。
５　成人の推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて算出される。

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解答　１、５

１　正
非タンパク質呼吸商とは、以下の式で表される。

非タンパク質呼吸商より、脂質と糖質の燃焼割合を推定することができる。
なお、非タンパク質呼吸商が1.0に近いと炭水化物の燃焼割合が多く、0.7に近いと脂質の燃焼割合が多い。

２　誤
基礎代謝量とは、生きていくために必要な1日の最小限のエネルギー量であり、睡眠時エネルギー消費量（睡眠時代謝量）と同じとされる。
なお、安静時エネルギー消費量（安静時代謝量）は、仰臥位あるいは座位で、安静にしている状態で消費されるエネルギー量のことであり、基礎代謝量よりも高値を示す。

３　誤
Atwater係数（生物的燃焼値）とは、糖質、脂質、タンパク質1 gを酸素下で燃焼させた熱量（物理的燃焼値）に、吸収率を考慮にいれたエネルギー量のことである。

４　誤
基礎代謝基準値は、単位体重当たりの基礎代謝量のことであり、年齢や性別によって異なる。

５　正
推定エネルギー必要量とは、エネルギーの過剰と不足のリスクが最も少なくなる食事摂取量のことであり、推定エネルギー必要量＝基礎代謝量×身体活動レベルで表される。

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